表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/56

第12首

第12首お届けできました。

第12首


まっ暗な

バスルームに

ひとりぼっち

鏡に映る

私の笑顔


短歌解説

 私が間接的に関わった実話です。

 ある日、Sちゃんの彼氏の後輩Kが、サークルの時に私に話しかけてきました。

「合沢さん、相談があるんです」

「うん、何かな? 恋愛相談なら無理だし、お金貸してはなおさら無理だし」

「いや、そんなんじゃないんです。Sのアパートに関係していることです」

「Sちゃん、まだあのアパートに住んでいるんだっけ?」

「はい」

「分かった、Kくんも怪異現象に遭遇したんだ」

「はい。何回か。突然おもちゃのピアノが鳴ったり、ピキッ、バシッといったラップ音が鳴ったりして」

「僕もSちゃんからその現象のことを聞いたことがあったけど、Sちゃんあんまり怖がっていなかっただろう?」

「ええ」

 Kが肯いてから続けました。

「でも、昨日の出来事は何かヤバい気がするんです」

 そう前置きをしてからKが詳しく話してくれました。

 昨日、2人は近くの海岸を散歩したそうです。楽しく話しながら砂浜を散歩したので結構な距離を歩いてしまっていて、引き返したときには辺りが暗くなり始めていたそうです。そして、Sちゃんのアパートに帰ってきたときには、2人ともうっすらと汗をかいていたそうです。

「それで、Sがシャワーを浴びてくると浴室に行ったんです」

 するとSちゃんが浴室に行って10分ほどした頃、突然停電して真っ暗になったそうです。

「真っ暗で何も見えなかったんですけど、Sが怖がって助けを呼ぶようなこともなかったので、大丈夫だろうと放っておきました。5分ぐらい経って電気が点いて、それからしばらくしてSが何事もなく、髪をタオルで拭きながら浴室から出てきました」

「怖がってた?」

「いいえ、全然。で、あいつ変なことを言ったんです」

 Kの説明によると、Sちゃんは浴室が真っ暗になったとき、ちょうど下を向いて髪を洗っていたようです。そして、暗くなったのが分かったので、顔を上げると目の前の鏡に自分の顔が映っていたらしいのです。

「真っ暗なのに、鏡に映った自分の顔が見えて、そしてその映った顔は笑っていたそうなんです。そのことをあいつ、ねえねえ変なことがあったんだよ、と俺に楽しそうに話してきたんです。普通そんなことがあったなら悲鳴をあげたりしませんか。俺、あいつのことが理解できなくて、これから付き合っていくのにどうしたものかと」

 私は思わず、「相談って、そこかいっ」とツッコみたくなりました。しかし、Sちゃんの部屋の怪異現象が重くなってきていることの重大性から、一度はっきり見える人に見てもらったほうが良いとアドバイスし、同じサークルにいるUさんが見えるらしいよと教えてあげました。


残り88本 

二人がUさんに見てもらったかどうかは、その後のことは聞いていないので分かりません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ