トライカー編23 水4奪還
カシユッ!
トライカー:プロタガルテが跳ねる!
ダン!
背面サブアームにより肩部へマウントされた砲塔が吠える!
タラララララ!
胴体腰部に固定の薬液散布用銃身が、シュレッディングする!
下水管内部に発生する可燃性ガスを塩鉄弾を散布、濃度の薄められたそれは汚水中の硫化イオンと反応し、
ジャイイン!
腕部アークソードが手指を薙ぎ、払う!
ギャシュ。
飛び込み、切り払うと同時に水道局トライカー4号機を腕部でロック!
ダァン!
UltraSuperGiganticロミネンシアと同じくウサギ形状に加工したプロタガルテの脚部で、後方へ跳ね飛ぶ!
はしゃもしゃもしゃ。
手指は切り払われた個体を見捨てるように、戦慄くように下水管の奥へと、暗闇へと姿を消した。
A、「水道局トライカーチーム、水4を奪還した。再接続どうぞ。」
がきゅ。
安置させた水4は、一瞬痙攣するように震え、
きゅいいい。
ゆっくりと、脚部腰胸部に動力が通るように、立ち上がる。
びちゃ、ばちゃ。
その駆動系、関節からは恐らく、手指の物と思われる何らかの肉片、組織が捻り出される。
ザザ、
A、─「う、うう。」
どうやら水4のコマンダーはカメラ越しとは言え、無数の手指に包まれるショックから回復仕切っていないようだ。
カチュイ、キリュュ。
「あなた」はプロタガルテを操作し水4の背面へ1.5mmジャックを差し込む。
「何、を…。」
がく、がくがく!
水4は電気ショックを与えられた人間のように激しく痙攣し、そして─。
「コネージョ、ソルタンド。ナイン・エルナ。」
水4コマンダーでは無く、トライカー水4のオンボードSoCが応答を返す。
「い、一体何を!」
やっとコマンダー本人の意識が正常に覚醒したのだろう。
A、「貴官は保守点検、清掃の職務に携わるトライカーコマンダーであり、現在の、敵対知性と思しき手指、仮称イングラとの戦闘には不慣れである。AADA方面司令官直下に当たる本官ナイン・エルナが戦闘、脅威の駆除作業を引き継ぐ。貴官はまず十分な休息を取り、収束後の保守点検作業に万全の状態で望まれたし。」
キュイイ。
プロタガルテの後方に水4を付け、清掃用弾薬を再装填させる。
ジジ、
A、─「わかった。よろしく頼む。」
水4コマンダーは回線を切る。
「あのひとにお茶とお団子を運ぼーと思いますが、ぬいぐるみさんも渡したほーがいーですかなー?」
ガルデニアが、白い花の中央に食べ物を乗せてゆく。
A、「うん、彼らは本来、こんな場面を見るべきじゃなかった。」
タラララララ。
モニタの向こうでは、プログラムを書き換えた水4が手指へ清掃用弾薬をばら撒いている。




