トライカー編20 指
さあああ。
目覚める。快適な睡眠を保証してくれた空調が、逆に寝覚めの快適さを阻害する。
「んんむ〜、むにゃむにゃ。」
甘えるように「あなた」へ抱きついて眠るガルデニアを撫でて、抱きしめる。
ぽろ。
ガルデニアの口元から、誰かの人差し指が落ちる。
「あなた」たちに害意を持つ存在は確かにいるのだろう、が、実行しようとすればこうなる。
それでも今回は、様子が違った。
ぽろ。
続けて中指まで。
普通の地球人なら、手の指が突然現れた白い花に食い千切られれば混乱するはずだ。
ぽろ。
新たな人差し指。
つまりこの指の持ち主は─。
A、「相当なガッツがある。」
A、─「そんな問題とちゃうやろ!怖いって!」
カウンターに座って水餃子をつまむマチコは、恐怖と猜疑心の混じった絶妙な表情をしつつ言う。
「んー、たしかに同じひとの指なんですなー。」
そうガルデニアが話すと、
ぽろ。
新たな、「人差し指」が口から落ちた。
「ちょ、ちょーちょー待て待て!」
マチコが取り乱す。
「おかしい、おかしいて!何でナインもそんな冷静やねん!」
じゅわああ。
次のお客様への肉団子を揚げる。
A、「コントロールを失った対惑星文明兵器の方が、一般の方への脅威度が高い。」
「たしかに、ナインがバナナを炒めだした時の方がこわかったですなー。」
ぽろ。
更に指が落ちた。
ガルデニアはそれらを受け止め、腰に付けたポーチへ入れる。
A、─「そうか…コイツら別の星の軍人やからこんなもん見飽きてんのか。」
妙に納得したマチコは水餃子を咥える。
「んー、にしてもわざわざ無力化されるってわかっとる相手に繰り返し攻撃しよ思うか?」
他のお客様へ焼き飯とからあげを提供し、「あなた」は考える。
B、「仮に人差し指が120本の人物がいたとして、ガルデニアとぼく/私に害意を持つにしろ、この攻撃回数は無駄が多い。」
視線の先ではガルデニアが「また来てほしーですなー。」とお見送りをして、口から指がこぼれる。
B、─「うーん、確かに効率悪いんな。」
最初は恐怖していたものの、マチコも見飽きたようだ。
「けどや、」
C、「どうしたの?」
エリアリーダーというよりは、元々の性格が顔を出したようだ。
眉根をしかめつつ、頬は満面の笑みを浮かべる。
C、─「こんなおもろい事する奴の顔見てみとなったわ。」




