トライカー編19 雨の後
「─っ、はああああー!」
家族向けテーブルの向かいに座り、マチコが天井を見上げ、大声を上げる。
「リーダーみっともないっすよー。」
マチコの部下が両肩を揉む。
「あーあーあーあー!ごく。負ーけーたー!」
投げやりにマチコは成人用飲料を飲み、また声を上げる。
今日だけは、試合もあるので店を休みにした。
「ほいほい、追加のおつまみですぞー。」
早朝に仕込んでおいたからあげを温めて、ガルデニアが持ってくる。
こ、と。
優しくテーブルの中央に置かれたそれをお箸で掴み、マチコは口へ入れる。
ぱりぱり、むしゃむしゃ。
「リーダーお行儀が悪いっすよー。」
マチコの部下も席に着き、刻んだ生野菜へお箸を伸ばす。
「やっぱりナインは根性曲がっとるってー。」
先のからあげを飲み込んだマチコは、次のものに手を伸ばす。
むしゃり。
手で掴んで、かぶり付く。
「あの切らせてたパーツ、あれ全部爆破させるためにわざと当てさせてたんすねー。」
「んー、動き的に見てナインのトライカーも真剣に避けてる感じでしたなー。」
マチコの部下に対して、ガルデニアがコメントする。
A、「実際リベンジゴージャスのアークソードに両断されてもおかしくなかったよ。」
「あなた」は隣に座るガルデニアに焼売を食べさせながら言う。
A、─「はいはい、戦う前から見切ってたような動きしやがって、ありがたいお褒めのお言葉が頂けてアタイは涙がちょちょ切れるで。」
以前の、時折影が差していたマチコとは違い、
B、「色々なもの、振り切れた?」
その言葉を聞いたマチコは、静かに目を閉じて頷き、微笑む。
B、─「アタイの中で燻ってた炎が、あの一撃で消し飛んだよーな感じ。」
一呼吸置いて、
「ありがとな。」
目を開けて─。
「うおおガルデニア!何で春巻口移しやっとんねん!」
マチコは椅子ごとずっこけた。




