一寸先のスタートライン
「、、、、、う,うぅーーーん ちぃっくしょぅ,,,,,ばめんてんか,,,んするたび
にうめいてやがる,,,,」
「あ!! やっと起きたのね! 傷とかの応急処置はしておいたから安心してね」
目線を下に落とし、毛布をはぐってみると僕は全身包帯でぐるぐる巻きにされていた
「、、、ははっ,みっともねぇな」
今にも消えそうな声で弱々しく言う
「そんなそんな!! みっともなくなんてないわよ! あなた、この状態で生きていること自体奇跡なんだから」
まろやかな声で少女はそう言う おそらく僕を運んでくれた子の師匠、であろう
「あーそんなんですね,,, 多分貴方様の治療のおかげですよ
本当に,,,,本当にありがとうございました」
普通に泣きそうだった やはり異世界召喚されても
死というものは怖く、
そこから助け出された時の感謝は計り知れないのだ
「もう! ありがとうはみんなに言われすぎて飽きちゃったよ笑
まぁ感謝は何回言われても気持ちがいいけどね」
,,,,,悪寒がした 恐怖のあまり言葉が発せなかった
あの奴隷商人に言われた言葉と同じだ
怖い怖い怖い怖い
この子も僕をどこかへ誘拐するのか? この子も僕を殺そうとしてくるのか?
あらゆるマイナスの想定が僕の脳裏を駆け巡った
「っっっっつ、、、、、大変恐れ多いのですが
あなた様にいくつか質問させていただいても?」
震える声で言う
「もちろん!! 私に答えられるならなんでもいいよ」
「ありがとうございます
、、、えっとまず ここはどこですか?」
「んー? ここはこの港町、メーデーの中央病院よ
私が直談判して貴方たち負傷者を受け入れてもらったのよ」
優しくまろやかな声で少女はそう言う
「そうなんですか、、、えっと次は,なんで貴方様は奴隷商人から僕らを助けてくれたのですか?」
「そりゃあ決まってるじゃない! 悪事があったからよ!!
人を物のようにして、命を奪っていく、そんな外道な行為を貴方は
見過ごせって言うの?」
このことを聞くことが邪推であると言わんばかりに微かに怒りを込めてそう言う
、、、、、どうやらこの子は本当に僕らを助けてくれたのだろう
僕を誘拐する気ならこの場面で怒りなどという、
相手を怖がらせるようなことはしないし
「、大変申し訳ございませんでした
このような無粋な質問をしてしまった恥知らずの私をどうかお許しください、、、、」
「いいっていいって笑 それより傷の具合はどう?
動くと痛むから,ここ一週間は絶対安静ね」
少女の声はまた優しさを帯びた
「はい! おとなしくしてま、、、、、、、ッッッッッッッッツ,,,,,,」
少女に心配はさせんと声は抑えたのだが、あの激痛は変わらなかった
「くっそがよぉぉぉ まった未来予知かよぅぅ」」」」
『ザザッザザッザザ、ザーーーーーーーーーーー
やめて!! はな,,,,,ザザて!! だま,,,,,ザアァアれ!おんなふ,,,,ぜザザァいが
おい!!,,,,,,,,,おまザザッらこのおんな,,,,,,,,ザーーーつれ,,,,ザアて!!』
なんだ?こいつらは?この子を連れてこうとしているのか?
『ザザッザザザザーーー,,,,,お,,,,い!! このおザザッなしば,,,,,,,とけ!
あと,,,,,,たっザザァァァり可愛が,,,,,,,ザザてやるよザザァッーーーーーーー,,,』
「うっつはぁ、、、はぁはあはぁはぁはあはぁはははあはぁはあはぁ,,,,,,
うっぷぅぅ,,,,,ウゲェェェェ」
少女に僕の薄汚いゲボはなんとか当たらなかったが、普通に僕のスボンには
クリティカルヒットしてしまった
「ちょっっっと!!! いきなりどうしたの!? 替えの衣服とってくるわね!!」
少女は目に見えるほどに焦っていた
「ちょっと!! かはっ,,,待ってくれ あんた,,,あの奴隷商人はどうしたんだ!」
恐怖に慄く心をなんとか縛りつけて、言葉を捻り出す
敬語云々を気にする余裕はとうにない
「え? あぁ、あの外道は,,,,,っつごめんなさい、逃してしまったの
貴方たち負傷者の搬送が第一だったから,,,,
で、でも安心して!! あなたの治療が終わったらすぐに追うから!」
違う それじゃ駄目だ! おそらく後一日二日くらいであいつらはここに来る
どうするどうするどうすればいいんだ????
僕が使える唯一の武器はさっきの未来予知だ 思い出せ思い出せ
僕はあの時何を聞いた、何を感じた、何を思った、
、、、、、、、、、、、何を『見た』?
そうだ!!! 僕は見たんだ
僕は、これまで覚えている限りで二回未来予知をしてきた
その二回はいずれも感じれたのは音だけで、見ることはできなかった
でも、今回は違う。 視覚があった
目に見える範囲の大半を砂嵐が覆っていたが確かに僕はさっき
『見た』んだ!
それを使え、僕はさっき何を見たんだ
一回目の会話は多分、ここの病院で商人があの子を連れ出していた場面だ
そんで、二回目の会話は、、、、
草が見えた、
木々が見えた、
そんで視界の下には、
『街並み』が見えた
その記憶の裏どりを取る前に先に体が動いていた
「お、お、お、おい!!! おっちゃん!
あんた昨日僕をボコってたよな! そのお詫びに教えてくれ!!
この街で一番高い山はどこだ!!!」
「おいおいあんちゃん あんま無理に動くなよ! ふらふらじゃねぇか」
「いいから教えろ!!!!」
そう怒鳴ると、おっちゃんは向かいにある窓を指で指した
「、、、、あの山だ 山頂に登ればこの街を一望できる」
その山は綺麗な富士山型をしていていかにもこの街のシンボル、って感じだ
「だけどよあんちゃん、それを聞いてどうすんだ??」
「登る」
「はぁ?! やめとけ!! おまんの体をみてみぃ 登れるわけないやろ!!」
「黙ってくれ、、、、、、、登るんだ」




