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子育て?超越者(ヒュペリオン)  作者: 樽腹
第四章 超越者
84/120

第25話 奮闘

かなり遅れましたすみません...(;_´ω`)_



Tips


鍛冶場(forge)


分類:権能記述


付属記述

【錬成】【走査】【がらくた】【??】【??】【??】【???】【???】【????】


金属のみならず、様々な素材から人間の道具を生み出す事に長ける記述。

その記述の特性上、知識の有る無しが作成されるものの品質や記述の効果に大いに影響される。

(タリオン)は前世で自衛隊にあるトラックや戦車などの特殊車両や銃器の整備を経験し、退役後は建築業に携わった。

その為、金属などの資材と道具。地質調査などの知識と経験は深く。


故にこの記述の特性は大いに発揮される。



「おおおお!」


勢いよく上段から振るった真銀の大剣が空を斬る。


同時に虚空から現れた蓑虫のような化け物が。

脳漿らしきものを頭部から吹き出して、地面に叩きつけられた。


だが大剣の軌道スレスレを掠めて飛ぶ一つ目の鳥が、首領の鎧に守られていない顔目掛けて飛び込み──




(ガチンッ!!)


なんと嘴を歯で噛み止め...そのまま首を下に振って叩き落とす。



──地面に叩き落とされた鳥がもがき、鉄靴に踏み潰され。


一つ目鳥を踏み込んだ足を軸に、右手に持った牢鉄大剣を横薙ぎにする。


殺到していた数体のゾンビがたちまち胴の部分から真っ二つに。


翻って逆袈裟に払った真銀の輝きが、背後の不可解に瞬く外套の亡霊を切り捨てる。


首領が獅子奮迅の活躍を見せる一方で。


首の無い騎士が振るう長剣を盾で防ぎ、そして吹き飛ばされるハイオーク。


転がり、叩きつけられながらもメイスを地面に突き立て、震えながら起き上がる。


その身に受けた傷は深く、満身創痍だ。


新しく作られた鎧のあちこちにヒビが生え、あるいはひしゃげている。


一人を相手にしている隙をついてもう一人が盾をもって首の無い騎士の盾を押さえつけた。


自分の持った盾に阻まれ、押さえつけて来たオークを切る事は出来ない。


騎士が力を込めて押し崩しに掛かる瞬間。

盾に掛かっていた圧を急に外され。


押し込める為に力を入れた首無し騎士が体勢を崩す。


「ふご!!!」「ぷぎいい!!」


その瞬間を待っていたかのようにメイスと斧が殺到する。

盾によって出来た死角から忍び寄ったハイオーク達だ。

だが、その一瞬の隙を突いたにも関わらず。


斧は長剣に弾き返され、メイスはかわされた。


そして肩当てすら切り裂く剛剣がハイオークを切り捨て──


(ぞぶっ...)「ぐふっ」


──られず。


斬り込んだ剣をがっちりと抑え込まれ...ついに大鉈が首無し騎士を真っ二つに両断した。


膝を着く間も無く、ゾロゾロと後続がやって来る。


仲間のハイオークが傷ついた彼を助け起こし、傷口に薬を注ぎ込む。


泥臭い戦いながらも堅実に敵を屠っていくハイオークの散兵。




そして──



「つくづく...君の挑発にのって、接近戦を仕掛けなくて良かったと思っているよ」



踏み込みで音の壁を突き破り、放たれる神速の縦拳が六つの腕を持つ阿修羅のような魔物の上半身を吹き飛ばした。


突進して来た赤目の馬をすれ違いざまに両断する。


拳を振り上げた黒鉄の身体を持つ巨兵が蹴り上げられ。

十数メートル上空へ舞い上がり、分解して爆散する。


何やら唱えてた魔術師のような存在が、突然背中から山刀を生やして絶命。


その背中から生えた山刀を、残像が付くほどのスピードで追いかけて引き抜き。



──横で銃を構えていた悪魔を斬り裂いた。




だが、


「【再生】」



じわり、じわりと押されていく。



最も強い少年(タリオン)ですら、完全な物量の差には太刀打ち出来ない。





...始まりは彼の使う弓の強奪。


キリルの持つ【墓荒らし(tombraider)】に付随する記述...【盗掘(robbed)】により手に持った弓が奪われた。


「壊す訳にはいかない。壊れたものを直し回収する記述を持ってるとも限らないからね」



ニヤついた笑みを浮かべながら、タリオンの持っている記述を推測する。



手を増やすために再度ハイオーク達を呼び出す姿を見てさらに頷いた。


「成る程。君はどうやら、目覚めてから此処に来るまでの間...一度も人間を殺しては居ないと見える」


「おまえ...!」


激昂するタリオンを嘲るように、軍勢を召喚するキリル。


「ふはっ、ふははは!恨むのならその程度の数の手駒しか揃える事の出来なかった己を恨むがいい」


死体を処理しきれなかったばかりに【遺体爆(fly-bait)】を受け、爆散するハイオーク。


さらに太った遺体に取り憑かれ、同時に放たれた火によって焼死する者までいた。


弓が無い。


たったそれだけのことで、形勢は悪化の一途を辿る。



それでも時折召喚される銃持ちや飛行する敵には魔術結晶を使い、拾った石を投げつけた。


蝙蝠や竜相手には閃光弾はかなり突き刺さった。



だが敵の数を減らすよりも、増える数が勝った。



彼がフォローし切れなかったハイオークが、また一人撃たれて光の粒子を撒き散らして消えていく。


臍を噛む想いでその様を眺め、それでも四方から襲いかかる敵への対処を緩めない。




彼等は奮闘した。



大健闘と言っても良いだろう。




たった十名からなるハイオークの散兵と首領だけで。




{【鍛冶場】}以外の記述を使う事無く。




ルンナから渡された魔導具すら温存し。





魔術結晶も半分以上は使わず。








新たな記述を、マナを常に浪費させ続け。






敵が温存していた残存戦力を出させたのだから。


ざんぎょうはやめてください_:(´ཀ`」 ∠):


此処まで読んで頂きありがとうございます!

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