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子育て?超越者(ヒュペリオン)  作者: 樽腹
第四章 超越者
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第26話 終わりの始まり


絶望とは何だろう。


何を持って望みが絶たれると言うのか。


最後まで諦めなければ奇跡は起こるというのだろうか?


其処に命のやりとりがあって、敵の悪意に常に晒され。

策略と謀の張り巡らされた場所において、全ての行動の先をいかれて。


常に自分にとって最悪の一手を打たれても尚。



最後まで諦めずに、戦う事が出来るだろうか?


現実は決して甘くない。


将棋やゲームとは訳が違う命のやりとり。


負けは死に繋がり、今眼に映る全ては終わる。


...だが、世界は続いていく。


自分が死んだ後も、世界は続く。


何事も無く、今日は昨日へ明日は今日へ。



そして今も──



道化師のような悪魔と共に、礼服を身に纏う山羊のような獣人が召喚されてから...状況がさらに悪化した。


道化師の手に持った楽器の旋律が、迫る敵の動きをより強く、より早く。


獣人の男が振るう指揮棒(タクト)が手駒をただ殺到するだけの群衆から、統制された軍隊へと変貌させる。


命令に拠らない反射的な行動が消え、パターン化した処理が効かなくなった。


指揮者を通じて、超越者の意思を手駒に映したのだろう。



──手駒独特の弱点が消えた。


仕事量が増え、裂けるリソースに無理が出始めた。

首領を含めたオーク達にその強化は致命的だ。


七人居たハイオークが、今やたった二人。



内一人はあの夜、見事な解体と料理の腕を見せてくれたハイオークだ。

首領同様オークでありながら何故か腹が出ていない。


俺たち四人は一纏めとなっている。

そうせざるを得ない状態だ。


キリル本人を直接叩きに行きたい。


既に何度か機会があって、実行に移した。

首領とハイオーク達のトマホークと投げナイフの支援があっても尚届かない。


一度目は直接殴りに行って{【福音(gospel)】}の【聖域(Sanctuary)】に阻まれた。


新たな権能記述。エアですら知らない筈の記述。


二度目は{【暗黒譚(evil)】}の【応報(Punishment)】によって、山刀の傷をそっくりそのまま返され危うく死にかけ...


此処で大量に回復薬を使ってしまった。


三度目は純粋に鎌で防がれ、側に控えて居た無数の手駒に止むを得ず押し戻された。


魔術結晶は手駒の肉盾に阻まれ、有効打は未だ入らない。


記述は例外を除いて一度使えば、再度使用可能になるまで時間がかかる。


だからこそ、複数の権能記述を持つ者が有利になる。

呼べる手駒も豊富であればあるほど良い。


其れ等を実行する為のマナは、徐々にではあるが回復する。


だが、こいつは異常だ。


呼び出す手駒の数が異常だ。

途切れぬ軍勢と記述...それを可能にする()()は何だ?


「君は頑なに手の内を見せたがらないが、何か理由はあるのかね?」


あるに決まってんだろ何言ってやがる。


...憎まれ口を叩く余裕もないほど俺達は追い詰められていた。


「だがその理由も全て分かる。君が死んだ後...感情を持つ手駒と、銃を知る知識。戦闘技術も【鍛冶場(forge)】を含めた権能記述は全て私のものだ」


ゾンビの兵士達が隊列を組んで襲いかかってきた。

強化されたその一撃は、作られた鎧を断ち割る威力を秘めている。


今の首領達に集団戦は不味い。


──下がっていろ。


俺が一歩踏み出した瞬間。


「──【亡者の手(deadhands)】」


無数の腕が地中より出でて、俺を捉えてその場に縛り付ける。



「この時を待っていたよ」



キリルの顔がいびつに歪む...愉悦の笑み。



──バランスを崩した俺に一斉に掴みかかるゾンビ達。


その動きは今まで見た動きの中で最も早く、そして的確だった。


「なっっ?タリオン!!」


助けに走る首領を止めに入る悪魔達。



「さらばだ」



──【(bites)(the)(dust)




身体に取り付いたゾンビの身体が、一斉に輝きを放ち。






爆──────────


_:(´ཀ`」 ∠):

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