第9話 親子
このお話を書き始めて早二カ月...
10万PV到達しましたッッ!!(´ω`=´ω`=´ω`)うおおおおおありがとうございますッ!!!
これからも子育て超越者をよろしくお願いします!!!!
「──ルンナちゃんの匂いに隠れてるけど、間違い無い...お父ちゃんの匂い......?もう、一人居る。アルナ様のとこの、天翁樹みたいな...昔嗅いだ事のある──」
...完璧だ。
こいつの犬耳と尻尾は伊達じゃ無かったってことか。
鼻の造形は間違いなく女の子そのものなのに──
「それに加えて、この匂い......オークの匂いに、蛇...?そこのラヴィネちゃん以外の狼も居る」
──嗅覚によって俺から得た情報で、記憶の世界に居た人物を次々的確に言い当てている。
地球の警察犬なんてものじゃない。
問題行動を起こしてもクビにならない、出来ない理由の一つがこれだろう。
匂いで得られる情報を、的確に組織に伝える事が出来る。
彼女は嗅覚からいち早く逃走する犯人まで確実に辿る事が出来るのだ。
「ねえ...貴方、教えてよ...どうして貴方はお父ちゃんに会えたの?」
彼女は目に涙を浮かべて俺の腕を握った。
ワンダさんと握手したその手をじっと見つめ続けている。
残り香から父親の姿を探しているようだ。
「どうして?......お母ちゃん、今でも時々、隠れて泣いてるのに...会えないの?」
...だからと言って、真相を明かす訳にはいかない。
人が他者の死を嘆き惜しむのは、もう二度と会う事が出来ないから。
認め、折り合い、自分に言い聞かせて明日を生きる。
それがどのような結果であれ学び、成長する。
失ったものは戻らない。
だが、その親しかった者が蘇ってしまえばどうなるのか。
それは明日を生きる者を引き留める行為だ。
生きている者は前に進めなくなってしまう。
死者との対話を可能にしてしまう、超越者の能力。
これは自分の都合の為に振るって良い力では無い。
良し悪しの判断なんてつく訳がない。
...いや、取り繕うだけの建前は止めよう。
──結局のところ、俺は悪者になりたくないのだ。
この力を使う事によって起きる出来事の責任がとれないという...それだけの理由で。
...彼女は父親に会えない。
けど、ラヴィネはこの力で両親と仲間に会う事が出来た。
産まれて一年にも満たない子に、仮初めの親に出来た事はなんだったか。
両親と仲間たちに会う姿があんなにも嬉しそうで...
...実の親に勝てないのは、ちょいと悔しい。
理屈はわからないが、あの世界でならステラに瞳を与える事が出来た。
光を取り戻したステラはとてもすばしこくて可愛くて...
──実の親に出来ない事を、俺なら解決してやる事が出来る。
では彼女は?
街と娘を死んだ後でも守ろうとしている父親は?
「ぐす...お父ちゃん......」
「きゅぅぅ...」「ぐるるる」
あんなにも鼻に皺を寄せていたラヴィネが、ココの膝に身体をこすり付けて。
喉を鳴らしだしたステラが、俺の首から尻尾を外して彼女の手を撫でるように動かした。
──いつだってこの子達は優しさを忘れない。
産まれ持った資質か、あるいは...自分と良く似た存在を嗅ぎ分けたのか。
そして...
俺の背後に感じる視線。
広場に人はほとんどおらず。
だが、確かに感じる力強い感情。
謎の視線の先に居るのは、涙を浮かべている犬耳の娘。
...居る。
街の外で待ってるって最初に言い出したのは当人なんだがな。
思わずため息が漏れた。
ステラの尻尾に触れたまま涙を流すココ。
寄り添ったまま俺を見上げるラヴィネ。
ああ、もう...
「......【移層】」
これが正解かどうかなんて知らない。
俺は部外者だ。
...なんて無責任な事も言わない。
ただ、一つだけはっきりした事がある。
一番巻き込みたくない奴を巻き込んだな。
此処まで読んで頂きありがとうございナス!(´ω`)v




