第4話 越える力
俺がエアから話を聞いている間にオーク達には戦いに備えて武器を統一して貰っている。
槍持ちとそれ以外という形だが、他にも盾を持っていたりとバランスが悪い。
弓を持って居る者が誰も居ない上に隊列を組むには数も訓練も足りず、槍兵か散兵になりそうだ。
《最後になりましたが、超越者に備わる三つの力の内の一つ...世界を越える力に付いてです──》
これが一番衝撃的だった。
なんと世界を飛び越える事が出来ると言うのだ。
今居る世界から、別の世界へ──
...それはつまり、日本に戻る事が出来るという事だ。
でも...
でも、良く考えてみる。
色々な世界があって地球から此処までやって来たが。
中には世界に降り立っただけで、空気の成分が違って死んだり。
地球以上に法で雁字搦めになった世界で、即御用になったり。
めたくちゃ強いのが当たり前の世界で、一般住民に肩叩かれただけで死んだりとか...普通にありそうで怖い。
しかも実際に現地に行って見なきゃ解らない訳だし、むしろその力は地雷なんじゃないのかと思えてくる。
《ですが...あの男は世界を越えてやって来ました》
八竜の主な役割は外敵の排除。
世界に悪影響を及ぼす存在を武力を持って排除する役割を持つ。
俺がもし、越える力を持って地球からこの世界にやって来た場合。
八竜のうちの誰かにあたり、殺される事になるのだろうか。
...やっぱり容易に使う力じゃないな。
《私達は悪意からこの世界を守護る為、女神様に作られました》
明確な基準は明かされなかったが、世界の異物をいち早く察知して滅ぼす。
《これまで見た者と同じように、悪意と欲望に塗れた瞳を持つ男でした...当然私はこれを排除しに掛かり...その結果、この世界を傷付ける事になるとは思いもしなかった》
エアは首をゆっくり振って目を瞑った。
話から察するに、これまでにも世界に侵入しようとする外敵との戦いは何度かあったようだ。
ただその男が超越者だった為に、エアは狂わされて...死んだ。
『秘宝』の力か...。
《他の八竜の力を借りる事を考えました。ですが、あの時見た男の力が全てとは思えなかった》
気を締めて掛からねばならない。
世界を越える力は一先ず置いとこう。
俺の中にもある記述の力と支配の力。
言われなければ気づきもしなかっただろう。
相手は俺と同じ力の持ち主でエアを相手に戦い、生き延びている。
勝つ為に出来る事か...
「...金策かなあ」
《は...?》
俺は鞄とは別にロープで束ねてあるモノに目を付けた。
まずはアルナさんと金額交渉するしかないが...やるしかない。
(´ω`)此処まで読んで頂きありがとうございナス!




