第22話 ギルドの偉い人
評価500p越え並びに50000pv到達ありがとうございナス!(´ω`)ノ
俺達は街の入り口とは違う大きな門の前にやって来た。
役場からほんのちょっと離れた大通りに面した広場だった。
門を遮るものは何一つ無いが入り口に立つ門番のような男たちが、杯を片手に俺達を一瞥して笑う。
ルンナさんが俺の影に隠れると同時に、アルナさんの杖が板張りの床を叩く。
「......?.........!?!!」
そうして、門番達はアルナさんに気づいて二度見した後、慌てて姿勢を正した。
その態度に老婦人の鋭い目つきが、針のようにますます鋭くなり。
門番二人の酒を飲んだような赤ら顔が、みるみるうちに真っ青になって。その手から杯が滑り落ちて音を立てた。
というか本当に酒臭え。
ラヴィネが顔を顰めて唸る辺り相当なものだろう。
俺の肩にいるステラも嫌がってマントに鼻を擦り付けていた。
金属板をちりばめた革鎧を身に纏い、薙刀のようなものを持った二人の大男が、見るからに非力な老婦人の目を見てあからさまに震え上がった。
「うぉっほん!」
咳払い一つに、二人は綺麗にビクリと反応する。
ちょっと面白い。
「いい度胸だねお前たち...誰に断って酒を飲んでるんだい?ばばあに教えてごらんよ」
睨みを効かせるアルナさんに泣きそうな顔で...いや、本当に泣いて懸命に首を振る二人。
...どんだけ怖いんだよ。
「ギルドの門番が昼間っから酔っ払ってんじゃないよ馬鹿どもが」
「「すいやせんでしたッ!!!」」
分度器で九十度をしっかり測ったかのような、見事なお辞儀だった。
土下座はやらなかったが教えたら真っ先にやりそうな勢いだ。
「水かっくらって酔いを覚ましな。あたし達が帰るまでに酒臭さが抜けなかったら...直々に『手入れ』をするからね」
「「は、ハイッッ!!」」
男達は門のすぐ傍にあった水瓶から競い合うように水を被っては飲み干していった。
二人は果たして間に合うのだろうか?手入れをちょっと見てみたい気がする。
門を潜ると、其処は大小さまざまな店が立ち並ぶ市場のような場所だった。
店に並ぶのは珍品かはたまた紛い物か。
胡散臭い男が旅人のような青年に怪しげなものを売り込み。
見るものを引き寄せるような文字の看板の建物の中。
妖艶な占い師のような女性が禿げた男を暗幕の向こうから手招く。
双子の兄妹が、ちょっとした広間で大道芸のようなものを披露して観客から金を稼いでいる。
剣を携えた中年が、娼婦のような女性の腰を抱いて歩き、とある露店の前で狼のような耳をした女の子がテーブル席に座ってひたすら肉に食らいついている。
ギルドのある広場の中は、まさに混沌だった。
アルナさんは迷いもせずに広場の奥にある飯屋のような酒場みたいな場所に入っていく。
俺達も互いに顔を見合わせて頷き、すこし遅れて入っていった。
出迎えたのは一人のお爺さんだった。
「あまりうちの職員を虐めんでくれんかのう」
「ふんっ、お前が自分で酒飲んでりゃ下への注意もへったくれもあるかい。まずお前が酒を止めるんだね」
白髪で赤い鼻をした...こじんまりとした、お爺さんだった。
「それができりゃあ苦労せんわい。ワシから酒を奪わんでくれ」
背丈はアルナさんと変わらない程だが、アルナさんより何処か小さく見える。
異国風とでもいうのだろうか、この街の中にあって風変わりな...地球でいう所の拳法着を羽織り。
手に持っている怪しげな瓢箪から、酒の香りが漂っている。
と、思ったら栓を外してグビりと一飲み。
...うーん、この世界にも瓢箪はあるのか。
「おうおう!君があの熊を狩った少年かね?」
お爺さんは人懐こい笑みを浮かべ、俺の手をとりぶんぶんと振った。
「わしがこのギルドの長つうても名ばかりの代表じゃ!宜しくな少年!」
...なんかいきなり偉い人が来たぞ。
毎日の更新マモレナカッタ...。゜(゜´ω`゜)゜。
それでも頑張ります
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