第10話 事情聴取って
ぜんかいまでのあらすじ
,;゛ ・ω・;, くびわがばれた
詰所は壁の中にある受付と連動した作りになっており。
砦さながらの堅牢さを誇りながら、コンパクトに纏められた機能的な一面を見せている。
明かりを放つ蛍光灯のようなものが等間隔で壁に埋め込まれており、視界に関しては全く問題が無かった。
これが魔法を道具に込めた...いわゆる魔道具というものだろうか。
ゲームなどの世界で決まってこう言ったものが登場するが、実際にお目にかかれるとは思っても見なかった。
詰所の中で熊の遺体が痛まぬよう、一旦血を完全に出し切ったのを確認したあとでラヴィネが凍らせたところ。
見た人全てが感嘆の声をあげておどろいていた。
なお、俺に斬りかかって来た犬耳娘の兵士がラヴィネを撫でようとしたが。
...めっちゃ鼻に皺を寄せて拒絶していた。
なお隊長さんとルンナさんはふつうになでなでを受け入れ。
詰所に残ってた動物好きっぽい兵隊さん相手にも尻尾振って受け入れてたので、 ココと呼ばれてる犬っ子はかなりショックを受けていた。
当たり前すぎる...。
ステラは俺の首に巻きつけてた尻尾を外して振り回して、近づく全ての人間を拒絶していた。
見えていなくても、大体の距離は解るらしい。
改めてステラの凄さを知ったような気がする。
今、俺とルンナさんは数ある部屋のうちの一つで、ソファに座って待たされていた。
素材は動物の皮に、中身はなんだろう?一応地球にあるソファのように弾力を持って俺の身体を適度に押し返して包み込んでいる。
部屋を飾る品やテーブルに椅子も、地球のそれとあまり変わらないもので。
違いがあるとすれば、素材の厚みと細部の造り込みだろうか。
まるっきり頑丈さが違う。
長年使い続ける事を前提としたものばかりである。
ちなみにラヴィネとステラも一緒だ。
ラヴィネは俺に寄り添うようにソファの上で伏せて膝に顎を乗せ。
ステラは首に巻き付けた尻尾を外して、俺の膝の上で済まなそうにしていたが、当然この子のせいでは無い。
俺個人としてはバレた時点で全力で逃げるべきだと思っているが。
...何故か逃げ切れるイメージが湧かなかった。
戦って打ち倒す事は出来るだろうが、その場合二匹の安全が保証出来ない。
厄介な相手だ。
しかし俺はあの男に付いていってこうして此処にいる。
何故かそうする事が正しいと思えたからだ。
理屈は判らない。
それに逃げるという事は、今隣で座って俺のことを盗み見してる女の子との約束を破る事にもなる。
...俺は約束を破らない。
あいつのようには絶対なりたくない。
「ほいお待たせ」
あの男が、犬耳娘を連れて部屋に入り、俺たちの真っ正面のソファに座った。
ココはその手にお盆を持ち。
上にはティーポッドのようなものに、白い陶磁器のようなカップが四つ乗せられていた。
「自己紹介がまだだったなそういや」
ココは手にしたカップを要領良く並べてティーポッドからお茶を注いでいく。
そして四つともに淹れたあとで、俺とルンナさんの間に割って入るようにどっかり腰を下ろした。
「ふふん」「こ、ココちゃん...」
しかも何故ドヤ顔。
こらこら二匹共怒らない怒らない。
「そいつのことは気にすんな。...珍獣の一種だと思って生暖かい目で見てやってくれ」
疲れたような顔をして、目の前に置かれたカップを手にとり中身を啜った。
「俺の名前はアイン。この街の警備隊の隊長をやらせて貰ってる」
つまり横でドヤ顔してる珍獣の上司さんか。
「タリオンです」
俺は膝の上の二匹の頭を撫でながら答えた。
「ふむ、タリオンね」
確認するように呟き、カップを口元に運んでもう一口啜る。
なんという茶だろうか、何処か紅茶のような匂いがする。
「ルンナ嬢の件で改めて礼をいう。ありがとな...と、まあその件はあとで話しをするとして、だ」
カップを置いて頭を掻く。
そしてにやりと笑ってとんでもない事を言い放った。
「まずはその首輪を外そっか」
...
は?
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