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子育て?超越者(ヒュペリオン)  作者: 樽腹
第三章 村かと思えば街だった
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第9話 ケセルナの街にようこそ

思わず熊を後ろに放りだして逃げようとした矢先。


「はいそこ殺人未遂」『メシャッ!』

「ェ“ボォッ!?」


突然女の子があげちゃいけない声を出して、地面に這い蹲るように崩れ落ちた。


「こ、ココちゃん...!?」


手に持ったショートソードを離さないのは、流石といったところか。


気が付けば、灰色のボサボサの髪に無精髭を生やした背の高い兵士が。ハルバート片手に少し離れた場所で耳をほじって立っている。


その人が、遅れてやって来た数人の兵士に合図を送ってその場に整列させる。


周囲に立つ兵士より一回りグレードの高い鎖帷子を着込み、家紋のようなものが付いた立派なサーコートを羽織っている。

腰に差しているのは、少女のソレとは違って普通のロングソードだが。


...ハルバードから、目を反らせない。


「ったく、余計な仕事を増やすなって言ったろう...」


犬耳少女の後ろから現れたその人が、やったのか。

ラヴィネは俺の陰に隠れて、警戒している。


「いやー、ほんとこの馬鹿がすまんな」

「い、いえ...」


俺の近くにやって来たその人は、俺の持って来た熊をしばし眺め、ルンナという名前で呼ばれてた少女と俺を見て頷いた。


「それにどうやらルンナ嬢を助けてくれたようで」

「は、はぁ...」


その言葉に、ルンナさんが吃りながらも事情を説明する。


「は、はい...あ、ああの...いつもの場所に、薬草が無かったからそ、そのっ、ちょっと深くにいったら、くっ、熊が──」

「あー...それでかあ」


ボサボサの髪をがりがりかいて、納得したように口元を歪めてうんうんと頷いた。

周りの兵士も釣られて笑ったり、納得したような、ホッとした顔で頷いた。


「こ、この度は...ご迷惑を、お、おかけしました」

「いやいや、いくらなんでもこんなでっかい熊が出るたあ誰も思わんでしょ」


灰色の髪を揺らしながら笑い、担いだハルバードで肩を叩く。


「んじゃあ仕事で港に行くやつから文句言われるかもしれんけど。一週間ほど朝の通用門は閉鎖して...今から林道を中心に一刻(二時間)ほど廻ってくれ。明日からの人員配置は昼頃に決めるんで...今はこの人数で行ってくれ」

「「「「「はっ!」」」」」


後ろで待機していた兵隊さんがビシッと整列して応える。


「おっと、誰か一人ギルドにも連絡頼む。そのあとは先に向かってるやつと合流な。俺ぁ門にいる連中に注意喚起と...後で辺境伯に連絡しとく」

「わかりました」


男がその場に集まった兵士に指示を出し。

一人が街の中を駆け足で行くと、残りの数名の兵士が3メートルほどある頑丈そうな槍を担いで林道へ向かった。

あの人数と装備なら、熊にも遅れをとらないだろう。


「お、父ちゃ、ん......ハッ!?」


急に少女ががばりと起き上がった。

どうやら意識を失ってる間(?)に故人に出会ってたようだ。


...え、ちょっと怖い。


「おら、お前はこっちや」

「な...」そして復活した犬耳な女兵士の肩を叩き。


そのまま首根っこを掴んでズリズリと引っ張っていく。

道行く人が「ああ、またか」みたいな生暖かい目で見守ってるあたり。どうやら日常茶飯事のようだ。


「そいじゃあ、もうちょい詳しい話を其処の詰所で聞かせてくれ」


──それと




「ケセルナの街へようこそ。歓迎するよ...首輪付き」




...めっさバレてる。


(´ω`)此処まで読んで頂きありがとうございます!

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