第2話 林道を行く
此処で時間をちょっと遡って主人公サイドです(´ω`)
「あれ、村というよりは街だよなあ」
「わん!」「ぴゃぁ」
夜明けと共に再び歩き出して二時間程だろうか。
湖を囲む林を抜けてしばらく歩いて小高い丘の所で目的地を確認して、思わずため息が漏れた。
辺り一面に生える、稲穂のような穀物のような畑があり。それが木の柵で囲われている。
植物の背の高さから、柵が殆ど見えず。
野生の動物や魔物に対して、若干心許ない備えに見える。
そしてその畑の奥に村があり。
村というには無理がある集落があった。
...やっぱどう見ても街だよなあ。
目的地に近づくにつれ、太く頑丈な骨組みをした壁が見え、まだまだ工事中なのかと納得がいく。
未だに目的地の村...というか街は発展している途中なのだろう。
所々に案山子のようなものが立っており、その腕の先に鳥が停まっているのが見える。
異世界といえど、鳥対策は似たようなものなのか。
畑の中をぐるっと見渡すが。
作物である穂の背の高さが邪魔をして、道のようなものは見えず。
此処で畑をそのまま突っ切ることが出来れば楽だったのだが、小心者の自分はそそくさと近くの林の中を進んでいく事を選んだ。
林の中は驚くほど整っており、人の手が入っている事は一目瞭然だ。
...特に迷うこともない。
整った道を先行くラヴィネは何処か嬉しそうだ。
...さっそくマーキングするのか。
ステラは俺の首に尻尾を巻きつけたまま。
肩にしがみ付いて、外界の僅かな匂いや音を逃すまいと暗闇の中で奮闘する。
あと一時間程度で着くだろうし、焦ることはないかと思い。鹿ジャーキーを一つ取り出して齧る。
俺自身だいぶ気が緩み始めた頃に。
「きゃああああああ!!!」
突然、林の奥で女性の叫び声が響き渡った。
読んで頂きありがとうございます(´ω`)
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