第3話 くまさんにであった
悲鳴は林道から遠く離れた森に近い場所から聞こえた。
鹿ジャーキーを一気に飲み込み。ロープでベルトに括り付けた大蛇の皮二匹分の皮が落ちぬようしっかり調整して固定する。
声のする方角へ向き直り「ぴゃあ」と鳴くステラの指示を頼りに、ラヴィネを抱えて全力で飛んだ。
林や森といった木が障害物となって立ち並ぶ場所では、地面を駆けるよりこっちの方がよっぽど早く目的地にたどり着ける。
途端に二匹から抗議の声が上がった。
「きゅうう!」「ぴゃあっ」
「すまん!でも今は急ぐ時だ!」
ステラの尻尾がきゅうと締まって若干苦しい。
しがみ付くのに爪が立ってチクチクするけど、肉球はぷにぷにしてる。
ラヴィネの毛がほわほわして、二匹ともあったかで触りごこちも良い。
これは完全にご褒美...あ、いえごめんなさい棘と牙はやめて下さいお願いします。
歩いて十分の所を木々の合間を縫うように飛んで跳ねて時に滑空して...ものの十数秒で辿り着く。
ざんっ、と音を立てて目的地に着地してみれば。
体重500〜600kgはありそうな大柄な茶色い熊が。
その体重の十分の一にも満たなそうな、魔女っぽい帽子に眼鏡を掛けた少女に覆い被さり、今にも襲い掛からんとしている。
「ひっ、ひっ、」
少女はパニックを起こし、震えているがまだ外傷らしいものは一切無い。
熊から逃がれようと手足をわたわた動かして後ずさる。
薬草とキノコを入れた籠が側に転がっているところを見るに、どうやら採集中に出くわしてしまったようだ。
俺の着地音で気づいたのか、熊が少女から離れて俺に向き直る。
釣られて少女もこちらを見つけたようで、目を見開き口をパクパクさせている。
よしよし...これであの娘は安心安全だ。
俺はラヴィネをそっと降ろして肩を鳴らす。
そして、
「がああああああ!」熊が吠えて俺に突進して来た。
...すまんな。
今は一円でも多く金が欲しいんだ。
だから──
『ドン!!!!』
──俺達の糧になってくれ。
顔面を殴られ陥没させられた熊が。
「......ぇ?」
宙を舞いながらその巨体を大きく一回転半させて、背中から地面に落ちる。
しばらく何かに抗うように、手足を動かして痙攣していたが。
次第に、その動きは弱まり。
そのまま、動かなくなった。
「ぁ...ぁぁ......」
熊が殴られ...吹き飛ばされて死ぬまでの一部始終を見ていた、とんがり帽子と眼鏡の少女は。
その衝撃のあまり言葉を失い。
『じわ...』
...固まったまま失禁していた。
「......」
「......」
...一分ほどたったころだろうか。
「......っ」
「ん?」
「...っく、ひっ、ふぅ...ひっく...ひっく、ふええええええええん!!」
ようやく、事態を飲み込んだと思ったら今度は目に大粒の涙を浮かべて大声で泣きだした。
「わふ...」「ぴゃ...」ジト目で俺を見る子供達。
「えぇええぇえぇえええん!!うえぇぇえええん!!!」
...え?俺のせい!?
(´ω`)せんせーたりおんくんがおんなのこなかせてまーす
ここまで読んで頂きありがとうございます!ブックマーク評価感想レビューお待ちしてナス!




