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迷宮の輪舞(ロンド)  作者: いかすみ
迷宮制作編
7/27

07 設置場所

設置場所



そのままぼんやり見ていると、再び入り口にキャラクターが現れた。


最初から比較すると時間が経っていた。


そのため、散らばっていたモンスターが一斉にキャラクターに向かう。


このときに気付いたことがある。


入り口の一マスではモンスターは動かなかった。


階段の時もそうだ。


降りた直後は安全だった。


けれども、引き上げるときは登った直後から攻撃が始まる。


この辺もルールがありそうだ。


なぜ、あのパーティーは強行したのか?


その辺は少し考えてわかった。


時間が経てばよりモンスターが集まってくるから当然だ。


集まる前に出口を目指したのだろう。




新しいキャラクターパーティーはいきなり接敵だ。


各出現ポイントのモンスターの索敵に掛かる。


そのため、一斉攻撃にあった雰囲気だ。


六人のキャラクターが必死に戦っている。


背後からも襲われていた。


逃げ道を断たれた印象。


レベルが低いらしく跳ね返すばかりでモンスターが減らない。


そして、新たなるモンスターが攻撃参加だ。


モンスターの集中攻撃。


一人が倒れた。


Gポイントが+10上がった。


一人倒れたことでますます有利になるモンスターだ。


『+10G』の表示が次々と上がる。


たちまち、全滅に追い込んだ。


『大勝利+120G』


そのような表示が出た。


どうやら、キャラクターパーティーを全滅させればボーナスが出るらしい。


本来なら、10×6だから60Gのはず。


120Gポイントは二倍とみるべきだった。


それだけではなく倒している途中でも10×6の60G分は入っていた。


細かい上昇が多くてはっきりはしないが、表示で現れていたから確かだ。


しかし、疑問が残る。


同じ全滅だ。


先程は、大勝利は出なかった。


今回は大勝利だ。


どちらも、全滅なのに?


何が違うのか?


なぜか、人工知能は答えてくれない。


運営に関する事ではないのか。


この辺は微妙なところなのかもしれない。




将棋を考えれば良いのか。


駒の動かし方は運営に属する。


しかし、『こう動かせば有利』というのは戦術だ。


これは、助言に相当する。


だから、人工知能の回答範囲から外れるらしい。


初期のルールから有利になるためのルールだ。


どうやら、階段を一つ登った雰囲気だった。




ボーナスポイント以外にも戦闘ポイントもたくさん入っている。


キャラクターを苦戦させて戦闘を長引かせればよい。


そうなれば、ポイントを稼げる事に気付いた。


大勝利の条件はおそらくパーティーを単一ブロックで全滅だ。


囲い込んで動けなくすれば、有利。


そうすると、ボーナスとして勝利Gポイントが二倍入る。


最初のパーティーは逃げ回っていたために範囲から外れていた。


そのため、単純勝利分しか入らなかった。


そこで、思い至ることがある。


地下二階の広場だ。


通路が広がったように思えた。


それなら、一つの区画の戦闘範囲が広がったのでは?


あの地区におびき寄せれば、もっと有利に戦える可能性があった。


キャラクターが逃げ回れば、狭い戦闘区域ではすぐに外れる。


広い場所なら、それだけ長く戦えるからだ。




どうやら、二組目のパーティーでシミュレーションは終わりのようだ。


その後は、新しいパーティーは現れなかった。


今回のシミュレーションでおおよその迷路条件が整う。




1、迷路はそんなに複雑にする必要は無い。


2、ループ状にして、モンスターが逃げられるようにする。


3、POP場所は開けた場所に設置。


4、キャラクターを追い込めるような迷路構造にして完全勝利を目指す。


5、戦闘は出来るだけ引き伸ばした方が有利。


6、階層+5まではキャラクターにモンスター討伐のメリットがある。

  一階層で6レベルのキャラクターが虐殺を行っていたからだ。


7、二階層しかないのではっきりしないけど、二階のレベルは3レベルモンス

  ターらしい。

  

ここに至って、簡単でも『三階層を作っておくべきだ』と後悔した。


人工知能の指摘があったにもかかわらず、強行した失敗だ。


この時点、隆之はもっと大きなミスをしているけど気付いていない。


迷宮には付き物のあれを失念していた。

 



迷路の大まかな方針は決まった。


隆之は別の問題に取り組む。


問題は、どうやってキャラクターを迷宮に呼び込むか?


この質問を考えた時も人工知能は反応しない。


これは、明らかに戦略級の質問なので当然だ。


迷宮運営なら当然考えなくてはいけない事だった。




まず、呼び込む冒険者のレベルだ。


その点に焦点を絞り込むことになりそうだ。


今は金が無い。


当然、レベルの低い対象者を選ばなくてはいけない。


弱いモンスターを多く配置して初心者向きにすべきか。


それとも、中級を目指して大きく稼ぐか。


このあたりのレベル加減が難しい。


そこまで考えた時だ。


目の前に地図が浮かんだ。




大きな大陸を思わせる。


その各地にいくつかの細かい点が表示された。


そのうちの、一区画だ。


なぜなら、その部分にやたら細かい点が集中して輝いていたからだ。


おそらく、一国に相当する大きさ。


それ以外を国とするなら、100に近い数だ。


そのうちの一国を担当するような印象だった。




意識を担当の国に向けるとその地図が大きくなる。


大きくなってきて気付く。


良く見ると丸の大きさが違う。


そのうちの一つに注目する。


『白国首都白都、人口十万、レベル6.5』


その隣の点を見る。


『白国白亜市、人口五万、レベル5.0』


少し離れた大きな点を選んだ。


『白国白呂市、人口六万、レベル4.5』


どうやら、国境に近い街で駐留する軍隊の関係でレベルはそこそこらしい。


向きを変えて、国境と関係ない部分を注目する。


『白国白戸市、人口二万、レベル2.0』


なかなかレベルの低い良さそうなところだ。


念のため、少し離れた辺境のようなところを選ぶ。


『白国白聖都、人口一万、レベル7.0』


人口が少ない割にむちゃくちゃレベルが高い。


隆之は白戸(はくと)を選ぶ事にした。




『このまま、迷路を運びますかY/N』


いきなり運営を開始するかどうかの質問だ。


勿論、キャンセルした。




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