第67話 誤嚥性肺炎
1: 本当にあった怖い名無し:2026/12/13(日) 00:58:11.11 ID:care70
介護士をしていた頃の話。
新人の俺は、古株の先輩に毎日のように怒鳴られていた。
ある日、寝たきりの老人(Kさん)の食事介助中に、
先輩がまた理不尽に怒鳴ってきた。
その腹いせで、
Kさんが苦しそうに口を閉ざしているのに、無理やり流動食を押し込んでしまった。
Kさんが口を閉ざしてイヤイヤをして顔を背けた。
でも俺は、
「うるせえな,死ねよ」
と小声で吐き捨てて、
顎を掴んで、飲み込まないうちに流し込み続けた。
Kさんはむせて、
その日の夜に誤嚥性肺炎で亡くなった。
これは、
俺だけの秘密だった。
誰にも言っていない。
カルテにも書いていない。
監視カメラの死角で起きたことだ。
葬儀が終わった翌日、
夜勤中にナースコールが鳴った。
「……Kさんの部屋です」
同僚が不思議そうに言った。
Kさんの部屋は、
もう空室になっているはずだった。
行ってみると、
部屋の中は真っ暗で、
ベッドだけがぽつんと置かれていた。
ナースコールの受話器が、
ゆっくり揺れていた。
誰も触っていないのに。
その夜から、
怪異が続いた。
・誰もいない廊下で、
スプーンが皿を叩く音 がする。
・食堂の椅子が、
ひとつだけテーブルに向かって引かれている。
・流動食のストックが、
Kさんの好みの味だけ減っていく。
決定的だったのは、
夜勤中に記録室でカルテを書いていた時だ。
背後で、
誰かが 「ごほっ……ごほっ……」 と咳き込む声がした。
振り返ると誰もいない。
でも、
机の上のカルテが勝手に開き、
Kさんのページに止まった。
そこには、
俺が書いた覚えのない文字があった。
「くるしい」
震えながらカルテを閉じた瞬間、
背後で誰かが囁いた。
「……苦しい……やめて」
その声は、
Kさんの声だった。
翌日、
俺は仕事を辞めた。
でも、辞めても終わらなかった。
家に帰ると、
ポストに一枚の紙が入っていた。
介護施設の食札だった。
俺の名前が書いてあった。
2: 本当にあった怖い名無し:2026/12/13(日) 01:01:33.55 ID:yo
罪系怪異は逃げ場ないやつ。
3: 本当にあった怖い名無し:2026/12/13(日) 01:03:10.88 ID:care70
食札が家に届くの、完全に詰んでる。
4: 本当にあった怖い名無し:2026/12/13(日) 01:05:44.11 ID:yo
「くるしい」の一言が一番刺さる。
5: 本当にあった怖い名無し:2026/12/13(日) 01:08:01.55 ID:care70
主が悪いので同情する気になれん
6: 本当にあった怖い名無し:2026/12/13(日) 01:10:22.77 ID:yo
これ、謝って済むやつじゃない。




