第57話 古い民宿
1: 本当にあった怖い名無し:2026/11/29(日) 23:58:11.11 ID:kaimuri
海沿いの町にある古い民宿に泊まったのは、八月の終わりだった。
観光シーズンも過ぎ、客は自分ひとりだけ。
潮の匂いと、遠くで鳴る波の音だけが聞こえる静かな夜だった。
部屋に案内してくれた女将は、どこか落ち着かない様子で、
「夜はあまり廊下に出ないでくださいね」
とだけ言い残して去っていった。
理由を聞こうとしたが、襖が閉まる音が妙に急で、
それ以上声をかける気になれなかった。
その夜、海霧が濃く、窓の外は白い壁のようだった。
寝つけずにいると、廊下の方から コツ…コツ… と足音がした。
女将だろうと思った。
しかし、足音は部屋の前で止まり、
襖の向こうで 誰かが立ち止まっている気配 がした。
息を潜めていると、
襖の隙間から、ゆっくりと 白い指 が覗いた。
開けようとしている──。
思わず布団をかぶった瞬間、
襖が スッ… とわずかに開いた音がした。
布団の隙間から覗くと、
廊下の暗がりに 人影が立っていた。
だが、形がおかしい。
肩が異様に傾き、首が海藻のように垂れ下がっている。
そして、足元からは水が滴っていた。
その影は、こちらを覗き込むようにゆっくりと身を屈め──
顔のない“何か” が、布団のすぐそばまで近づいてきた。
次の瞬間、
部屋の外から女将の叫び声が響いた。
「入っちゃダメ!!」
影は一瞬で霧のように消えた。
翌朝、女将は何も説明しなかった。
ただ、チェックアウトのときに小さな声で言った。
「昨夜のお客さま……
あの人、海で亡くなったのに、
毎年この時期だけ戻ってくるんです」
そして、こう続けた。
「あなたの部屋、本当は“二人部屋”なんですよ」
2: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:01:33.55 ID:umi
“白い指”の時点で帰れ。
襖から指が出るのはホラーの最終形態。
3: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:03:10.88 ID:mado
海藻みたいな首って何。
形容が生々しすぎて脳が拒否してる。
5: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:08:01.55 ID:umi
女将の「入っちゃダメ!!」が
完全に“慣れてる叫び”で怖い。
6: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:10:22.77 ID:mado
てか、毎年来るって常連かよ。
霊界のリピーター制度。
7: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:12:55.33 ID:kaimuri
「二人部屋」って言い方が一番刺さる。
最初から“もう一人”いたんだな。
8: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:15:33.11 ID:umi
海霧の夜って、
現実と異界の境界が溶けるんだよな。
9: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:17:44.88 ID:mado
足元から水滴ってるの、
溺死系の霊のテンプレだけど
描写が妙にリアルで嫌。
10: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:20:12.77 ID:kaimuri
布団のすぐそばまで来てるの、
距離感が近すぎて無理。
11: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:22:33.55 ID:umi
女将、絶対あれと何年も戦ってる。
プロの霊媒師より強い。
13: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:27:44.11 ID:kaimuri
海沿いの民宿って、
なんでこういう話多いんだろうな。
15: 本当にあった怖い名無し:2026/11/30(月) 00:32:10.55 ID:mado
主、よく生きて帰ったな。
あれは“連れて行く気満々”のやつ。




