第22話:【静寂】世界でたった一人の「掲示板」
1: 名無しさん@孤独:2026/07/24(金) 03:30:11.45 ID:The-Last-One
昨日まで街中を埋め尽くしていた「俺の顔をした奴ら」が、今朝起きたら全員消えていた。
外に出ても、車も電車も止まったまま。鳥の鳴き声すらしない。
ただ、空から例の「細かく裁断されたガムテープの屑」が、雪みたいに音もなく降り積もっている。
ネットも死んだかと思ったが、この掲示板だけは繋がる。
でも、どの板を見ても、どのスレを見ても、書き込んでいるのは俺一人だけ。
過去ログを遡ろうとしたら、文字が全部「砂嵐」になって消えて、指先に「ジャリッ」という感触が残った。
2: 名無しさん@孤独:2026/07/24(金) 03:32:44.88 ID:The-Last-One
今、ふと気づいた。俺の部屋の壁、こんなに白かったっけ?
壁紙の模様だと思ってたものが、よく見ると全部「びっしりと書き込まれた小さな文字」で埋め尽くされている。
『1 WHAT now? When will ye take us by both hands...』
あのリグ・ヴェーダの詩だ。
壁だけじゃない。俺の腕の皮膚にも、血管に沿って青白い文字が浮き出てきている。
俺の体そのものが、掲示板の「スクリプト(台本)」に書き換えられてるんだ。
今、部屋の隅にあるスマートスピーカーが、コンセントも抜けているのに囁いた。
「次のスレッドを立ててください。あなたの『命』をタイトルにして。さもないと、文字が足りなくなります」
3: 本当にあった怖い名無し:2026/07/24(金) 03:40:22.10 ID:unknown
≫1
おい、誰かいないのか?
俺の画面にも、≫1のレスしか表示されない。
それどころか、俺が今打っているこの文字が、「俺の肉を削って」作られてる感覚がする。
一文字打つごとに、指の先が少しずつ「透明」になって消えていくんだ。
4: 本当にあった怖い名無し:2026/07/24(金) 03:45:11.33 ID:unknown
待て。俺の部屋の窓の外、景色が全部消えて「真っ白な背景(空白)」になってる。
世界はもう、この掲示板の1ページ分しか残ってないんだ。
今、隣の部屋から「バリバリバリッ!!」って、巨大なガムテープを貼る音がした。
世界を「梱包」して、どこかに送ろうとしてる奴がいる。




