第21話:【消失】「名無し」がいなくなった日
1: 名無しさん@強制終了:2026/07/17(金) 22:15:30.88 ID:No-Name
おい、この掲示板の「名無しさん」の表示が、1分ごとにバグっていく。
どのスレを見ても、投稿者の名前が全部「俺のフルネーム」に書き換わった。
それだけじゃない。さっきテレビをつけたら、ニュースキャスターも、街頭インタビューを受けてる奴も、全員が「俺がさっき鏡で見た、あの無表情な俺の顔」をしてるんだ。
みんな、一斉にカメラをじっと見て、瞬きもせずに俺に語りかけてくる。
「おかえり。もう、他人はいらないよ」
2: 名無しさん@強制終了:2026/07/17(金) 22:18:11.02 ID:No-Name
世界から「他人」がいなくなった。
コンビニに行っても、店員が俺の顔をして「いらっしゃいませ(お帰りなさい)」って言ってくる。
道を歩く犬も、猫も、全部俺の顔をして、俺の足をガムテープでぐるぐる巻きにしようとしてる。
さっき、第14話のあの言葉を思い出した。
『計られた賛辞(measured eulogy)』……それは、世界を一人(俺)に統合するための祝詞だったんだ。
今、俺の部屋の天井から、「俺と同じ顔をした、巨大な母親のようなナニカ」が降りてきた。
そいつが、ガムテープまみれの手で俺の両手を掴んで、耳元でこう言ったんだ。
「やっと、ひとつ(同期)になれるね」
3: 本当にあった怖い名無し:2026/07/17(金) 22:25:44.21 ID:unknown
≫1
お前、何を言ってるんだ?
今、このスレの全レスのIDとワットチェックが、「俺の端末情報」と一致したぞ。
これ、書き込んでるの全員「俺」なのか?
スマホの画面に映ってる自分の指紋が、「俺の名前の漢字」の形に歪んで溶けてきた。
4: 本当にあった怖い名無し:2026/07/17(金) 22:30:11.00 ID:unknown
待て。俺の部屋の壁から、「生々しい俺の腕」が何百本も生えてきて、
俺の体を「梱包」し始めた。
ガムテープの粘着剤が、俺の目や鼻の穴に注ぎ込まれてる。
苦しい……のに、「俺の顔をした壁の腕」が、心地いい子守唄を歌ってる。
5: 本当にあった怖い名無し:2026/07/17(金) 22:35:00.00 ID:unknown
≫1〜≫4
さようなら。
次にこのスレを開いたとき、画面に反射して映る「あなたの顔」は、もうあなたの顔じゃない。
それは、この掲示板に飲み込まれた「俺たち」の誰かだ。
今、俺の意識が、「数億行のテキストデータ」に分解されていく。
お前も、早く、こっちに、おいで




