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第89話 相談

第89話です。

楽しんでいってください!

 ヴェーヴは勢いよく目を覚ました。


「・・・っ!」


呼吸が少し荒い。

それでも、自然と言葉がこぼれた。


「行かなきゃ。」


その時、部屋の扉をノックする音が響いた。


「ヴェーヴ、起きてる?」


ヴェーヴは布団を跳ね上げ、扉に駆け寄るとドアノブを回した。

そこに立っていたのはリリス。

彼女はヴェーヴを見て微笑みを浮かべる。


「おはよう、ヴェーヴ。」


「うん。師匠、おはよう。」


「あら、どうしたの?どこか悪い所があるのかしら?」


いつもよりも元気がないヴェーヴの声にリリスは心配そうに顔をのぞき込む。

ヴェーヴは慌てて首を振った。


「大丈夫!・・・あとで、ちょっと相談したいことがあるんだけど・・・。」


ヴェーヴは膝をついて自分の顔をじっと見つめてくるリリスの目をまっすぐに見つめてそう言った。

リリスはふっとほおを緩め、立ち上がる。


「着替えたらダイニングルームに来て頂戴ね。」


そう言って踵を返した。




 ヴェーヴが扉を閉めようとすると、どこからかクレールが姿を現す。

彼女はそのまま閉まろうとしている扉の隙間に手を突っ込み、力を入れる。

すると、ギギギ、と音を鳴らして扉が軋む。


「ク、クレールさん・・・。」


「久しぶりねー、ヴェーヴ?」


クレールはきれいな笑みを浮かべる。

しかし、その瞳の奥は少し冷えているように見えた。


「お久しぶりです・・・。」


「昨日挨拶もできなかったし、今日はとことん付き合ってもらうわよ?」


クレールは笑みを浮かべながら半身を扉の中に突っ込んだ。


なんでぇぇぇぇーーー!

僕、自分で着替えられるよ・・・。


ヴェーヴは脳内でそう言いながらも、おとなしくクレールの着せ替え人形と化したのだった。




 「おはよう・・・。」


少々ぐったりとしながらヴェーヴはダイニングルームに足を踏み入れた。

すでにリリス、ラヴィ、シャシャが席に着いている。

ちなみに、屋敷の主は現在任務で国内を駆け回っているため、屋敷にはいない。


「・・・お疲れ様、ヴェーヴ。」


「早くご飯食べよー!」


ご愁傷様、とでも言いたげなラヴィと朝から元気なシャシャに出迎えられ、ヴェーヴは席に着いた。

サラダとスープ、パンがテーブルに用意されている。

ヴェーヴたちは席に着くと同時に、食事を始めた。





 ――食後。


「――ってことがあったんだ。」


ヴェーヴは2回の不可思議な夢について語り終えた。

話が終わると同時に、3人は顔を見合わせる。


「初代、っていうと、『始祖』エリュシアかな?」


「そうでしょ。となると、遺跡は、紅焔の廟(こうえんのびょう)か?始祖の遺跡と言えばそこぐらいしか思いつかない。」


「でも、4つの炎のことを考えるとあと3つあるんじゃないかしら?」


3人は思いついたことを言いながらヴェーヴに視線を向ける。


「それにしても、ヴェーヴってのが一番の謎、か。」


「ヴェーヴの潜在能力っていうのが必要だったんじゃないかな?」


「・・・ヴェーヴは、どうしたい?」


リリスがヴェーヴを振り向き、そう尋ねた。


「僕は、行きたい。」


「なぜ?」


短い問いに、ヴェーヴは間髪入れずに答えた。


「お願いされたから。それに、僕がやるべきことだと思うから!」


「・・・わかったわ。それなら、まずは紅焔の廟へ向かいましょう。」


リリスが頷き、そう答えると同時にシャシャは――


「それじゃあ、必要な物、集めてくる―!」


と言い、窓から飛び出していった。


「ちょ、扉から出なさいよ!」


ラヴィが窓の外へ向かってそう叫んだが、そこにはもうシャシャの姿はなかった。

これからものんびり投稿していきます!

ちょこちょこ覗きに来てください!

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