第88話 再びの邂逅
第88話です。
楽しんでいってください!
騎士団の駐屯地から出た後、近くの森の中。
ヴェーヴは開けた空間にある小さな拠点を見つけた。
小さな小屋と焚火。
その前に立つのは――懐かしい2人。
「・・・遅い。」
腕を組んで立っているのはラヴィ。
その横に、いつもの調子で座っているのはシャシャだ。
「ラヴィさん、シャシャさん・・・。」
ヴェーヴの声がかすかに震える。
その声に真っ先に反応したのはシャシャ――ではなく、ラヴィだった。
「ヴェーヴ!」
彼女はバッと後ろを振り向くと同時に駆けだす。
そのままの勢いで、ヴェーヴを抱きしめる。
「・・・っ、無事で・・・よかった・・・。」
ぎりぎり聞き取れるかどうかというほど小さな呟き。
ヴェーヴは、その言葉を聞いてラヴィの体をぎゅっと抱きしめた。
「・・・ごめんなさい。」
ラヴィは身体を離し、いつもの調子でヴェーヴを小突いた。
「バカ。」
「えへへ・・・ごめんね。」
ヴェーヴの顔に、自然と笑みが浮かぶ。
その時、今度は背後から衝撃を受けた。
「ヴェーヴ!おかえりー!」
こどものような笑みを浮かべ、シャシャはぎゅうっと腕に力を入れる。
「シャシャさん!ただいま。」
シャシャはうんうんと頷きながら、ラヴィに引きずられていった。
ヴェーヴはその様子を「いつも通りだぁ。」とつぶやきながらニコニコと眺める。
リリスはその背中をトンッと押し、微笑んだ。
「ふふっ。この半年のこと、教えて頂戴。」
「うん!」
ヴェーヴは大きく頷き、2人の後を追った。
荷物をまとめ、4人はリリスの実家へと身を寄せていた。
その夜――。
ヴェーヴは、いつもより深く眠りに落ちた。
「・・・ここ、どこ?」
地面は水面のように、1歩歩くごとに波紋を広げる。
空は青――ではなく、紫に近かった。
ヴェーヴがきょろきょろとあたりを見回していると、背後から声が響いた。
「どこはひどくない?」
後ろを振り向くと、金髪碧眼の女性が立っていた。
・・・誰だっけ?
ヴェーヴはじっと女性を見つめ、首をひねる。
「ちびっこ・・・まさか、わたくしを忘れた、なんて言わないよね?」
「あ!あの時の人だ!」
ヴェーヴはちびっこ、という言葉で女性のことを思い出す。
女性は、煽情的な笑みを浮かべ、うんうんと頷いた。
「このわたくしを忘れるなんて、100年早い!」
「ねぇ、名前はなんていうの?」
ヴェーヴは前回と違って言葉を発せることに気が付き、今更過ぎる質問をした。
「・・・。」
女性はジトっとした目を向け、口を開いた。
「知らないなら、別にいい。好きに呼んだら?」
少しすねたように頬を膨らませてそっぽを向く。
「えー・・・。じゃあ・・・。」
ヴェーヴが悩んでいる間に、女性はゆっくりと近づく。
「ねぇ、前に言ったこと、覚えてる?この世界の『過ち』を正してって。」
ヴェーヴは顔を上げ、女性の顔を見上げる。
「頑張ったみたいだし、その続きを教えてあげよう!」
女性は人差し指を立てた。
「この世界は、歪んでいる。人間と魔女が争ってるのは知ってる?」
「うん。」
「なぜ?」
女性の問いに、ヴェーヴは少し考えこむ。
「魔法が使えるから怖いんじゃないの?」
「うーん、それもあるんだけど・・・。原因は、他にある。」
「それって何?」
ヴェーヴが首を傾げると、女性は真面目な顔をして、こう答えた。
「わからない。」
「・・・じゃあ、なんでそんなことわかるの?」
ジトっとした目を女性に向けながら、ヴェーヴはそう問う。
「わたくしが残したものを、全部集めて。」
その瞬間、2人の周囲に光が揺れる。
赤、青、黄、緑――。
4色の炎が水面に映っていた。
「遺跡を調べて。・・・お願いね!」
彼女が指を振ると同時に、炎が消え去り、空間にひびが入る。
何をする間もなく、目の前が急速に暗くなり始めた。
そんな中、女性の声が響く。
「急いでねー!ちびっこ!」
その瞬間、視界が完全に暗闇に閉ざされた。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




