第112話 5日間訓練③
第112話です。
楽しんでいってください!
――3日目の朝。
今日もヴェーヴたちは訓練場に来ていた。
「今日も昨日の復習からよ。」
「うん!」
ヴェーヴは元気に頷く。
右手を突き出し、意識を集中させる。
魔力を手のひらに集めていった。
できるだけ多くの魔力をそこに集め、そっと押し出す。
ほんの少しだけ。
そうすると――
ふわり、と炎のような揺らぎを持つ魔力が現れた。
1秒。
2秒。
3秒・・・。
昨日よりも長く維持できている。
10秒。
11秒。
12秒・・・。
そして、20秒を超えようかという時――
ボフン
音を立てて魔力が霧散した。
「あぁー・・・。」
ヴェーヴが頭を抱える。
「惜しかったわね。」
「難しい・・・。」
そんなヴェーヴにリリスはふわりと微笑んだ。
「でも、上手になったわね。もう少し頑張りましょうか。」
「うん!」
ヴェーヴはパァッと笑みを浮かべ、ぴょんぴょんと跳びはねる。
「でも、まだまだよ。魔力を出すことと維持することは別だからね。」
「はい!」
午前中いっぱい使い、ヴェーヴは魔力を維持する練習を続けた。
最終的に、30秒近くまで維持できるようになった。
「それじゃあ、次に進みましょうか。」
「次!?」
ヴェーヴは嬉しそうな声を上げる。
リリスは少し苦笑しながら頷いた。
「今度は形を作るの。」
「一昨日に見せてくれたやつ!?」
「そうよ。」
リリスは以前見せてくれたように魔力を放出し、その形を自在に変えていった。
「わぁ!」
何回見てもきれい!
ヴェーヴは目をキラキラと輝かせる。
「魔力はただ出すだけじゃないの。」
リリスは形を立方体から球体に変えながら言う。
「想像するのよ。自分の魔力がどんな形になるのか。」
ヴェーヴはこくりと頷き、手のひらから魔力を出す。
ふわふわと揺れる魔力。
それが球体になるようにイメージする。
丸く、丸く・・・。
師匠みたいに・・・。
意識する。
すると――
ぐにゃり、と楕円に曲がった。
「つぶれた!」
「そうね。」
リリスが笑う。
2回目、ぐにゃぐにゃ。
3回目、ボフッと音が鳴って消滅。
「むー。」
ヴェーヴが唸った。
「焦らなくていいのよ。」
リリスが優しく声をかける。
「魔力は、曖昧なイメージだと曖昧な形になるの。」
なるほど・・・。
ヴェーヴはリリスの球体状の魔力をじっと見つめる。
丸い。
真ん丸。
丸。
丸。
丸・・・。
頭の中を丸でいっぱいにする。
すると、ふわりと魔力の形がほんの少しだけ整った。
「できた!」
完璧な球体ではない。
少しいびつな形だ。
それでも、今までの中で一番丸かった。
「上出来ね。」
リリスが微笑んだ。
その日の夕方。
ヴェーヴの手のひらには小さく、いびつではある。
しかし、確かに球体と呼べる形の魔力が浮かんでいた。
魔力を感じ、流し、外に放出する。
そして、今度は魔力の形の変化。
ヴェーヴの訓練は着々と進んでいた。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




