第111話 5日間訓練②
第111話です。
楽しんでいってください!
――2日目の朝。
3人は再び訓練場に足を踏み入れた。
「それじゃあ、昨日の復習から始めましょうか。」
「はい!」
元気よく頷いた。
そして、静かに目を閉じる。
胸の奥――心臓の近くに意識を沈めていった。
昨日見つけた温かい光。
それをそっと押すように流した。
心臓から下半身へ。
もう一度心臓へ戻り、頭を流れていく。
昨日よりもずっと自然な動きで、するすると流れていった。
「上出来ね。」
リリスが微笑み、静かに頷く。
「それじゃあ、次の段階ね。」
「次?」
ヴェーヴが首を傾げる。
「魔力を身体から外に出すの。」
「外?」
リリスは自分の手のひらを見せた。
そこから、ふわりと光の粒子が立ち上る。
「わぁ!」
「手のひらに魔力を集めて、そっと外に出すの。」
ヴェーヴはじっとリリスの手のひらを見つめる。
「難しい?」
「かなり難しいと思うわ。大体の人がここで躓くの。」
リリスが苦笑してヴェーヴに促すようにうなずいた。
「やってみる!」
ヴェーヴがきらきらとした目で見上げ、大きく頷いた。
手を前に出す。
魔力を手のひらに集め、ググっと魔力を外に押し出そうと力を込めた。
しかし――
「出ない・・・。」
「出ないわねぇ。」
リリスが困ったように手を頬に充てる。
「でも、ここは感覚の話になるから・・・。」
ヴェーヴは一瞬リリスを見上げ、自分の手をじっと見つめる。
そんな時、背後から声を掛けられた。
「押し出すな。」
アグニ=ゼルを振り返る。
「押し出さないの?」
「ああ。魔力は自然と流れ出るものだ。力まず、魔力を集めるだけでいい。」
「・・・わかった!」
ヴェーヴは大きく頷き、もう一度意識を集中する。
手のひらに魔力を集める。
どんどん、そこに魔力を集めていく。
しかし――
ボフッ
と音を立てて白い煙が一瞬だけ出て終わった。
「まだ力が入っている。」
「わかった!」
ヴェーヴは素直に頷き、もう一度手に魔力を集めていく。
力を入れず、どんどん集めていった。
すると――
「わぁ!」
手のひらからするりと魔力が流れ出た。
師匠とは少し違う、炎のような揺らぎがあった。
しかし、今度は数瞬後にはボフッと音を出して消えた。
「あっ。」
「維持が問題ね。」
リリスが少し考え込むように顔を伏せる。
「でも、初日では十分よ。」
ヴェーヴはパァっと表情を明るくして後ろを振り向いた。
「ありがとう、アグニ!」
「・・・そうか。」
アグニ=ゼルは静かに頷いた。
その日の夕方。
ヴェーヴはへとへとだった。
それでも、手のひらから魔力がふわふわと出ていた。
初めは1秒。
次は5秒。
少しずつ、確実に。
リリスも微笑みを浮かべ、うんうんと頷いていた。
アグニ=ゼルは静かにこちらを見つめていた。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




