第99話 次の町へ
第99話です。
楽しんでいってください!
「先輩、本当に大丈夫なのですか?」
「・・・大丈夫。」
エルシアが目元をこすりながら答える。
ヴェーヴは焼き魚を口にし、もぐもぐと咀嚼した。
「手伝ったほうが――」
「君たちは・・・やるべきことがあるんじゃない?」
「・・・。」
リリスが沈黙する。
エルシアはヴェーヴに視線を向けた。
「君も、頑張りなよ。」
「・・・?うん!」
ヴェーヴは一瞬首を傾げてから大きく頷く。
エルシアの黒い瞳に、一瞬柔らかな色が浮かんだ。
彼女はリリスに顔を向け、「頑張りなよ。」ともう一度、小さくつぶやいた。
――昼食後。
「それじゃ・・・またね。何かわかったら、連絡する・・・。」
エルシアが靴を履き、立ち上がる。
緩慢な動作で手に持っていた帽子をかぶり、宿の扉に手を掛ける。
彼女は扉を開き、外に出た。
そのまま歩いて行かず、足を止める。
「リリス・・・。」
振り返り、じっとこちらを見つめた。
「無理は・・・駄目だよ。」
それだけ言い残し、彼女は風をまとって飛び上がった。
わずかに髪が揺れ、頬に乾いた風が触れる。
ヴェーヴの隣で、小さな呟きがこぼれた。
「先輩に言われたくないわ・・・。」
リリスは目を細め、わずかに微笑みを浮かべる。
ヴェーヴを見おろして口を開いた。
「さて、私たちも出ましょうか。」
「・・・うん。」
ヴェーヴは頷き、その顔にニッと笑みを浮かべる。
2人はエルシアが開けたままにしていた扉から、足を踏み出した。
2人は通りをまっすぐ歩き、入った時とは反対の門を抜ける。
「次の町まで、3日よ。頑張りましょうね。」
「うん!次の町では、何するの?」
「そうね――」
2人は楽し気に歩いて行く。
そんな彼女らの後姿を眺める1つの影。
「ははっ。これは面白くなりそうですね!」
中性的な顔立ちに影を含む笑みを浮かべる。
その人物は羽織っているマントをなびかせてどこかへと飛び去って行った。
これからものんびり投稿していきます!
ちょこちょこ覗きに来てください!




