締まらない幕切れ
「あれじゃ無理か?
んじゃ模擬戦はレイジ=クライスの勝ち。お前ら〜あと模擬戦したい奴いるか?いるなら二人一組で俺に言いに来いよ〜」
ロイド先生が模擬戦の結果を述べ、ついでに模擬戦の参加者をきくが、それどころじゃなかった。優秀なSクラスが底辺のCクラスに負けたのだ。騒がずにはいられないだろう。
しかし、その喧騒もある一人の叫びによって止められる。
「納得いきません!私がこんな平民に負けるなんて認められるわけない!」
バーバルボロボロの姿のまま立ち上がり俺を睨みつけてくる。
「認められないと言われてもな……もうお前戦えないだろ。正直これ以上怪我されると面倒なんだがなあ」
「うるさいっ!こうなったら!こい!『フレイムハード』!」
バーバルの頭上に炎の塊が出現した。それは数回不規則動くと形を変えて翼を、嘴を形成していき、大きな鳥の姿になった。
「神魔か」
「そうですよ!これが私の契約した神魔『フレイムバード』です!」
フレイムバード。おそらく精霊だろう。しかし普通の炎精霊よりも綺麗な炎をしている。それに精霊以上の存在感がある。唯の精霊じゃないな。
バーバルは何も言わず考えている俺の姿を見て、自分の神魔に圧倒され言葉も出ないと思っているのか、一息にまくしたててくる。
「これは我が父の契約している神魔、『フェニックス』の眷属です!貴方のような平民なら一撃で仕留めることもできるでしょう!さぁ攻撃しろフレーー」
「いい加減にしろ馬鹿野郎」
次の瞬間バーバルは吹っ飛んでいた。俺の魔法でやられたように再度地面を転がり、動かなくなった。……いや、ピクピク動いているようなので気絶しているのか?
「ったく、使うなって言ったろうが」
どうやら特殊魔法を行使しようとしたのだろうバーバルは突然近くに現れたロイド先生によって殴り飛ばされたらしい。俺は先生が近づいてくるの見えたけど。周りの生徒たちは見えなかったのかポカンとしている。
ってか先生が生徒殴っていいのかよ。それに馬鹿野郎って。
「あ〜やべっ。どうすっかな。
……よし、先生あとはお願いします」
Sクラスの担任へ向けてそう言い、ロイド先生はゆったりとした足取りで闘技場を出て行った。
Sクラスの担任はロイド先生の言葉に固まっていたが数秒すると正気に戻った。
「え?ちょ、ちょっとロイド先生!待ってください!私に押し付けて逃げないでくださいよ!」
呼びかけは届かなかったらしく戻ってはこなかった。ロイド先生が出て行ったせいでSクラスの担任は一人でこの場を収集しなければいけなくなった。
うちの担任があんなんですみません。
「まずバーバル君を医務室に連れて行かなきゃいけませんし、監督役の先生も居なくなりますし、授業を続けるのも無理ですね……。皆さん魔法実技の授業はこれで終わります。教室に戻って各自自習をしてください。以上何か質問等はありませんか?」
その後特に質問などはなく、Sクラスの担任はバーバルを医務室に連れて行った。
先生が居なくなり闘技場内は静かになったがすぐに生徒たちのざわめきが聞こえて来た。
そんな中俺はとっとと教室に帰ろうと歩き始めた。
闘技場を出ようとした時にSクラスの方からなんとなく視線を感じたような気がする。
しかし、その視線から感じるのは敵意や害意などではなく、何かを確かめるような感じだ。なんとなく誰なのかがわかったがするが問題ないなと気にしない事にした。
だがこの判断が間違っていたことに気づくのはそう遠くない話であった。




