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乗客は未発見死体  作者: 沼津平成@ウォーキングで知名度UP
第5章 過去と未来は交わるか、ずれるか?

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サイドストーリー:助けたい助けたい/らい

 圭吾さんとは文芸サークルで一緒でした。

 2017年 塔乙学園 文芸サークルいじめ事件。

 新聞ではこんなふうに扱われたのでしょうか。死人の出ていないいじめ事件としては、少し大きめに扱われました。それは、バスケのサークルでいじめがあったばかりだったからです。

 助けてくれたのは警察だ。

 新聞にはそう書いてあります。

 でもみなさん、被害者にしか知りえない事実っていうのも、あると思いませんか?


「——逃げろ!」


 刹那、その声がしました。聞き覚えのある声です。回想をやめてなお、耳に残る声。


「圭吾さん……?」


 ああ、僕は圭吾さんでさえも、助けられないのでしょうか。




 絆。

 永遠であり、もろく、不滅でないそれは、なんと儚く、悲しいものなのだろうか。

 歩道橋の上りの、踊り場。登り切って、橋の中心へ差し掛かるところで、それを見つけた。

 下りのところから、頼人が悲しげな顔でこちらを見つめている。これはなぜだろう。

 二つの意味にとれる。俺たちが犯罪者だと知ってしまった、というパターンと、そしてもう一つは――、

 背後で、転ぶ音が聞こえた。

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