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第十話 意外とアトラクションみたいで面白い

滝の裏にあるダンジョンに僕たちは潜りこむことになった。いったい、何があるのだろうか。

 若干みんな濡れながら、滝裏のダンジョンに足を踏み入れる。新品のズボンがぬれたことをここで報告しておこう。なんかショックである。僕はまだいいが、生足の女性陣はさらに嫌がっていた。立地を確認すべきってのはこういう時のためなのだろうか。


「よし。進むぞ。」


 レオンがそういうと、近くに落ちている木の枝に火をともした。松明替わりだろうが、なんとも原始的である。

「もー、ちゃんと乾かしてから行きたいんだけど。」

 アンナがそう駄々をこねる。いや、これは駄々のうちに入らないかもだが。ルマも「同じく……」と申し訳なさそうにつぶやいている。レオンは眉をひそめた。

「風魔法で乾かせばいいだろ。対した魔力消費量じゃないはずだ。」

 そういう問題ではないと思うぞ。そう思いながら女性陣を見るとジト目でレオンを見ていた。そういう問題だったらしい。

「分かってるわよ。まったく。これだから男子は。」

 アンナはルマに頼み、風魔法で乾かしてもらった。その間、レオンとケイルと僕は周囲を見渡す羽目になる。彼女ら、しっかり靴を脱いで乾かすようだ。


「さて。ちなみにお前さんは武器を使ったことはあるのか?」

「ないですね。」

 ケイルに聞かれた内容を思わず脊髄反射して答えてしまった。まあ、その通り使ったことも見たこともないのだけど。この世界にきてゴミとして散乱している武器を見て、初めてあるんだと実感した。

「じゃあ、荷物持ち?」

「……。」

 鋭い質問を投げかけられた。確かに、戦えもしない・魔法も使えない・知識もない。そんな僕にできるのはみんなのサポートだろう。


「まぁ……はい。そのときはやるつもりです。」

「うわ、真面目だったか。すまんすまん、冗談だ。」


 ケイルは困ったように微笑みながら眉をひそめる。全くもって冗談に聞こえなかったのは僕だけだろうか。


 しばらくして、女性陣の靴等が乾き早速ダンジョンを進むことになった。ドキドキハラハラ、こういう感覚が久々に押し寄せてくる。

 湿った石の地面は、ツルツルで気を抜けば転んでしまいそうになる。氷かな?と思うぐらい表面がツヤツヤだ。そんなダンジョンを進んでいると、今朝書いた本日のイベントが押し寄せていた。


「うわ、スライムの大群だぞ!!!」


 先頭を歩いていたタンクのケイルがおっかなびっくりとした様子で一歩後ろへ下がる。みんな武器を構えた。


 どうやら、初めて異世界転移した時にそばにいたスライムは無害なやつ。水色のまるで水風船みたいなやつだった。だが、ダンジョンに生息している目の前にプヨプヨしてる紫色のスライムは敵らしい。

 相変わらず可愛らしい見た目をしているのだけど。


「……ルマ、アイツラ冷やせるか?」

「うん。まかせて。」


 杖をスライムに向けて構えている。そして、先端部分にある水晶から何かを作り出した。何かという曖昧な言葉を使わなくてもいいほどそれは分かりやすいものだった。


 氷魔法である。


 水を凍らせたあとに割ると粉々になるみたいな感じだろうか。意外と化学チックなことをやるのに驚いている。まぁ、一般人の僕が化学を語ったろおこられそうだからここらへんでやめよう。


 みるみる大きくなっていく氷の塊。そして、一定の大きさになると放たれた。それがスライムに当たるとピキリと何かが凍る音が聞こえる。それはじわじわと連鎖していき、大群のスライムたちは冷たくなっていく。ついでに周囲の温度も下がっていった。

 吐く息は白く、わずかに指先が震え出す。全身にブワッと広がる鳥肌。そのどれもが今目の前で起きている生き物が凍って死ぬという光景を忘れないようにと刻み込んでいるようだった。

 というか、怖すぎる話である。あれに触れた瞬間凍って死ぬの?ヤバくないか?


 そして、数秒後。レオンの剣さばきによってそのスライムたちは跡形もなく消え去った。どんな攻撃方法なのかも知る余裕もなかったのがショックである。


「ふう……次行くぞ。」


 動かない個体を切っただけなのにレオンの息が上がっていた。どうやら、剣は重いらしい。持ったことがないから実感もクソもない。


「ここ何階層なんだっけ?」


 アンナが腕を組んで尋ねた。ルマはいう。


「十階まであるよ。」

「わかった。ありがとね、ルマ。」


 十階層ということはいろんな確率がはびこっているだろう。僕的には五階層に一回中ボスかボス戦を挟めたい。たぶん実際にもそうなのだろうけど。あと、隠し扉とかはどうだろうか。各階に一・二個くらいあってほしいものだ。そう思いながらみんなで足を運んでいた。




 数分後。下へ続く階段を発見する。明らかに空気が一段と寒くなりただ者でない雰囲気が漂っていた。


「やばいな、本当にCランクダンジョンかってぐらい空気が重いな。」

 ケイルがそう専門家染みた発言をする。まったくもってそのとおりだとは思うが。

 先程までを野原だと表現するなら、いきなり水に突き落とされたぐらいには寒暖差がひどかった。


「……いくぞ。みんな、気を引き締めるように。」

 レオンのその言葉でみんなまたもや息を揃えて返事をする。というか、あっけなく一階層を探索し終えたことに驚きである。

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