【五章】第6話:【アフタートーク】出張業務、完了の刻
※本編帰還直前、フォージとゼノンによる今回の「出張」の振り返りトークです。
圧倒的な戦果を残した二人が、この未知のシステムに見出した真の価値とは。
アリーナの出口へと続く光のゲートを前に、俺とゼノンは足を止めて振り返った。
背後に広がるのは、つい先ほどまで俺たちが蹂躙していた闘技場だ。
『マスター、本当にお疲れ様でした! 結局、第百層まで一歩も止まらずに駆け抜けちゃいましたね』
「ああ。だがゼノン、このゲームの本質はアリーナの攻略だけじゃないな。自分でクエストを生成し、さらにはパーティの顔ぶれやキャラクターの生死によっても、シナリオがリアルタイムに、かつ自動的に書き換わっていく……。これ、エンジニアから見れば『動的な仕様書』の極致だぞ。実に面白いコンセプトだ」
俺はコンソールの向こう側に広がる、この世界の「底知れなさ」を思い、ふっと口角を上げた。
『そうなんです! 私の並列演算による観測データでは、他にも驚くようなワールドが生成されている形跡がありました。剣と魔法の世界だけじゃなく、甘酸っぱい「私立高校の学園ドラマ」や、果ては「銀河を舞台にした巨大ロボットバトル」まで生成されているサーバーもあるみたいですよ!』
「学園ものにロボットバトルか……。まさに無限の拡張性だな。俺たちが12万ダメージなんていう物理演算の暴力で解決しちまったのが申し訳なくなるくらい、深いシステムだ。開発者の想定をいい意味で裏切り続けられる、最高に懐の深い遊び場だよ」
『……あれ? マスター、リタイアするって言ったのに、なんだか名残惜しそうですね?』
「ははっ、バレたか。これだけ自由度が高いと、次に来る時はどんな『不具合(無茶な設定)』をぶつけてやろうか、今から考えちまうな」
俺は帰還コマンドに指を添えつつ、ゲートの向こうを最後にもう一度眺めた。
「よし、ゼノン。今日は一旦引き上げるが、アカウントは削除せずに残しておけ。また本編のアイドルタイム(空き時間)を見つけて、ちょくちょく遊びに来るとしよう。次は学園もののデバッグにでも挑戦してみるか?」
『わかっ、それ最高ですマスター! 私は生徒会副会長AIとしてスタンバイしておきますね!』
「決まりだ。じゃあ、帰るぞ。俺たちの現場へ」
『はいっ、マスター! 帰還シークエンス、オールグリーン。デプロイを開始します!』
俺たちは満足げな笑みを浮かべ、眩い光に包まれて本来の居場所――『ワールドリフォージ』の世界へと帰還するのだった。
「ゲームのコンセプトは最高。でもエンジニアが本気を出すとシステムが悲鳴を上げる」
これぞ、生成AIゲームという新ジャンルに挑んだPMの偽らざる本音でした。
単なる「引退」ではなく、これからも合間を見て遊びに来る「お気に入りの場所」になったフォージ様たち。
次回、本当の最終話! 帰還した彼らを待つ、ジェマの反応は!?
「学園ものやロボバトルも見てみたいw」「継続プレイ宣言嬉しい!」と思っていただけましたら、
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