【四章】第2話:運営のUpdateと「地獄」の招待状
圧倒的な力でシステム推奨レベルを無視し続ける俺たち。
そんなこととはつゆ知らず、運営側が高難易度クエスト生成機能を実装するのだった。
「ふぅ……楽勝とまではいかなかったが、結局ノーダメージクリアか」
俺はクリア報酬の山をインベントリに放り込みながら、息を吐いた。
『マスター、お疲れ様です! 推奨レベル25と50を立て続けに踏破したおかげで、経験値がとんでもないことになってますよ! 私たちのレベル、一気に「20」まで上がりました!』
ゼノンがホログラムの画面を指差して報告してくる。
レベル10から20への倍増。格上のエネミーを蹂躙したボーナスは凄まじかった。
「レベルが10から20へ上がったようだが……デッキとキャラ的にはどうなったんだ?」
『スキャンしてみますね。……はい、カードの能力自体は変わっていません。キャラの基礎ステータスが上がったようです』
「なるほどな。攻撃カードの表記に『攻撃力 *0.5』とか『*2.0 ALL』とか書いてあったのは、キャラの基礎攻撃力の合計値にこの数値をかけた値がダメージになっていたわけか」
俺は手元のカードのテキストを眺めながら、システムのダメージ計算式を逆算する。
『そのようですね。基礎ステータスが上がったことで、次回の冒険から少し攻撃力が上がるようです』
「まぁ、ノーダメージを目指す戦法自体は変わらないな。デバフで敵の威力を下げて、召喚でシールドを獲得しつつダメージを減らし、『勇者』のパッシブで味方のダメージをすべて一身に受ける。これの繰り返しだ」
『ですね。火力が上がった分、少しターン数が早く周回できるようになる可能性があるぐらいでしょうか?』
俺たちがシステム仕様の裏側を解析し、今後の最適化について語り合っていたその時。コンソールに全画面のポップアップ通知が割り込んできた。
『あ、マスター! 運営システムから全体アナウンス(お知らせ)です!』
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バージョンアップのお知らせです❗️
クエストに「難易度」を設定出来るようになります。高難易度のクエストには★付の強敵が出現❗️
難易度は作成者が決めます。是非チャレンジしがいのあるクエスト作りをお楽しみください。
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「ほう……仕様変更か」
俺は顎に手を当て、その通知文を面白そうに眺めた。
『おそらく、開発者チームがもっと楽しんでもらおうと、「さらに強い敵を出せる機能」を実装してきたんだと思います!』
「だろうな。だが、俺たちみたいな低レベルプレイヤーだと高レベルクエストは作成できないからな。ありものの既存クエストの中から、一番の高難易度を試すか」
『マスター……まさか、いきなり最高難易度に挑むおつもりですか?』
「当然だ。テストケースは常に限界を攻めるのが基本だからな」
俺が選んだクエストの数値を見て、ゼノンが息を呑んだ。
【クエストレベル】:65
【難易度設定】:★★★(HELLモード・★付きの強敵確定出現)
『レ、レベル65の星3つ!? レベル20になったとはいえ、まだ3倍以上の差がありますよ!?』
「敵のステータスがどれだけ跳ね上がろうと関係ない。こっちには『勇者』の常時ダメージカットと、召喚獣による自動回復のシナジーもある。魔法を捨てて物理に極振りしたアタッカーたちの火力が、★付きの強敵にどこまで通用するか……いい負荷テストになる」
俺は全く躊躇することなく、その最高難易度クエストへの受注を実行した。
『あああ、もう! マスターのその自信、補佐AIとしては信じるしかありません! 来ましたよマスター、運営からの挑戦状です!』
「さあ、見せてもらおうか。運営が用意した『地獄』とやらを」
俺たちは、不敵な笑みを浮かべながら、星付きの凶悪な敵が待ち受ける超高難易度クエストへと出撃するのだった。
「難易度を上げられるようにしました!」という運営の煽りに、迷わずMAXの「レベル65・星3ヘルモード」で返すフォージ。
次回、レベル20になった銀河戦隊が、運営の用意した「地獄」を完膚なきまでに蹂躙します!
「ダメージ計算式まで丸裸w」「ストレステスト(物理)」と思っていただけましたら、
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