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アナザーオブアス  作者: そらね
第4章 不穏な旅路
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15話 打開

「ちょっと待て!何するつもり!?」


マークが叫ぶが耳を貸している暇などない。



その形は定まらずしてその役は剣

汝あらゆるものを呑み込むべし



「ちょっ!?炎魔法は全然効かなかったじゃん!」


だが気になどしない。蛇が噛みつかんと飛びかかってくる。



今総てを焦がし貪りつくしたまえ



詠唱が完成すると同時に蛇の牙が腕に刺さろうとする。その寸前、蛇の口に手を突っ込む。


「はあ!?」


横でマークが頓狂な声をあげる。

そのまま細い腕に牙を突き立てようとした蛇の体が爆ぜた。


「なっ…!」


マークが唖然とする。さっきから驚いたり叫んだり忙しいな。


「ど…どういうこと…?」


簡単な話だ。殻は硬い上に得意の炎魔法も通じにくい。ならば殻で防がせなければいい。つまり殻の内側…体内に直接魔法をぶち込んでやればいいのだ。


「痛ったぁ…」


とはいえ流石に無茶であったことは否めない。右腕からは血が流れ出ている。


「…無茶し過ぎだろ…」


トカゲの方に向き直る。と、突然トカゲが逃げ出した。


「逃げてった…ね」


突然逃げ出したのは驚きだったが、とりあえずテントを解凍しなくては。



テントを解凍し、中に入ると倒れている人影が2つ。体にうっすら霜が降りているが、おなかが動いている。とりあえず生きているようでよかった。


「テレス~、2人は大丈夫そう?」


「うん、大丈夫。」


にしても体に霜が降りてなお寝続ける根性はいっそすごいな。


「…寝よっか」


さっきまで戦闘の興奮で感じなかったが、今となっては眠くてたまらない。

朝起きたら目一杯文句を言ってやろう…そう決めて寝袋に潜り込む。真夜中の睡魔の前に意識を失うのにそう時間はかからなかった…


朝起きるとまだみんな寝ていた。もう日が昇っているがマークが寝ているのは昨日の疲れだろう。リオンとグンマは…まぁ平常運転だ。揺すって起こしていく。


「「え!?マジで!?」」


朝ごはんを食べながら昨夜のことを話すと2人は驚いていた。あれだけやっといて全く気づかないなんて逆にすごいな。


「そんなことよりさ…」


「そんなことって…大変だったんだけど?」


「その紅い月ってのが気になるよね…」


無視してリオンが続ける。


「なんだったんだろうね?」


「紅い月…ブラッドムーン…!」


ブラッドムーン?なにそれ?


「ブラッドムーンってのは半分伝説みたいなもんなんだけど、紅い月のことをブラッドムーンって呼ぶの。そして『狂気』『闘争』とかを意味する。」


嫌な予感がして背中がゾワっとする。


「ラグライズの街は…大丈夫なの!?」


思わず叫ぶ。


「…話してなかったけど、ラグライズには僕の姉が住んでる。」


「…!」


「精霊使いでめちゃくちゃ強いから…よほどのことがない限り大丈夫なはず…」


その言葉とは裏腹に、リオンの顔は不安に溢れて見える。


「と…とにかく急ごう!」


食事もそこそこに、ラグライズに向かって走り出した。



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