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殺奪  作者: 夏野
学生編

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遠征②

改稿済みです。


雑談12/31、1/1(2024)

ハッピーニューイヤー!あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


報告

改稿は1月下旬から遅くなりそうです。さすがに受験勉強に本腰を入れないとまずいので。速度を戻すのは2/21の予定です。まだ時間はあるので、詳しくは遅くなる時に話します。事前に把握だけお願いします。

アペタイトの確認も済んだので、【ポーチ】に仕舞……『右斜め上に盾を構え、【暴食(グラトニー)】を発動させてください。』


「【暴食(グラトニー)】。」


盾の中心にある蠅の模様から黒い霧が生まれ、それは牙を持つ口のような何かを形成する。


そして、その口は上空に向けて喰らいついた。


その瞬間、洞窟をぶち破り、その口へと赤黒い光線が降り注いだ。


その口は光線へと噛みつき、丸呑みにした。


崩れた瓦礫も、空気も、光も、全て黒い霧のその口が喰らい尽くした。


俺は確信した、やっぱり運がないと。


「皆さん!大丈夫ですか!?」


暴食(グラトニー)】が強いのはわかった。


だけど、この攻撃って絶対……。


「ふははははは!ミミックめ、先日の恨み晴らさせてもらったわ!」


うん、やっぱり魔神の攻撃だよね。


「あの、何しに来たんですかね?」


「もちろん、お前に殺された恨みを晴らすためだ。その盾、アペタイトだな?奴もお前に味方したのか、忌々しい。〈神魂貫殺槍(ロンギヌス・ミミック)〉!」


ロンギヌスは三叉槍を俺に向けて投げつけた。


「【暴食(グラトニー)】。」


黒い霧が槍を喰らった。


これだけで。天罪武具の強さが分かる。


「チッ。厄介な。今日は退いてやる。」


そう言って魔神は飛んで逃げてしまった。


……暴食って大罪じゃなかったっけ。


『アペタイトは天罪以外に、暴食の大罪スキルも持って生まれたんだ。だから、それが今も残っているだけだ。』


『なるほど。』


魔神に襲われたのは不幸っちゃ不幸だけど、アペタイトを試せたってことでは幸運だ。


「カイン君、今襲ってきた悪魔帝王(デーモンエンペラー)は何者ですか?」


「えーっと、一言で言えば魔神、文で言えば、休暇中に俺を襲ってきた敵です。」


「魔神……。もしかしなくとも、上位神(じょういしん)ですよね?勝ち目はほとんどありませんでしたし、退()いてくれて助かりましたね。」


「そうですね。」


「皆さん、大丈夫ですよね?怪我とかしてませんよね?色々ありましたが、兎にも角にも、もうすぐ夕食が出来ます。配膳を手伝ってください。」



「「「いただきます。」」」


カレーを俺たちは食べ始めた。


この世界にもいただきますの文化があり、ご馳走様もある。


魔物とは別に普通の動物もいるのだが、野良の動物は魔物が狩ってしまい、滅多にお目にかかれない。 


現代なら畜産出来るが、昔はそうもいかなかっただろう。


だから、そういった文化が生まれたのだと思う。


「おー、ちょいからで美味しい。」


「だね。柑橘類のジャムとか入れても美味しいかも。」


「あー、確かに。」


リーシヤとクロムは貴族ということもあり、カレーは珍しかったようだ。


「美味しい。」


メラスはメラスで、平民出なので、香辛料は普及しておらず、珍しいようだ。


「先生、コーヒーありますか?」


「ありますよ。〈空間収納〉、どうぞ。」


先生は白い魔法陣を描き、そこから瓶に入った挽かれたコーヒー豆を渡してくれた。


「ありがとうございます。」


カレーのルーにコーヒー粉を少しかけ、混ぜる。


「ありがとうございました。」


「カレーにコーヒー、合うんですか?」


「美味しいですよ。コクが深まります。」


「ほう。今度やってみますね。」


「先生、ラー油ありますか?」


「異世界の調味料のあれですか?」


「はい。」


「すみませんが、持ち合わせてないです。」


「なら、ソースはありますか?」


「ソースならあります。どうぞ。」


先生はコーヒー豆の瓶を仕舞い、交換にソースを取り出し、ミレアに渡した。


「ありがとうございます。」


そんなこんなで夜は老けていった。



みんな夕食を食べ終えたはいいが、やることがない。


「皆さん、明日も朝早いですし、もう寝ましょう。どうせ、やれることなんてないでしょう?」


「そうですけど……やっぱ、何かして遊びたいじゃないですか。」


「クロムに賛成。何かしたいです。」


「……眠い。」


「私も遊びたーい。」


俺とメラスを除き、みんな遊び足りないようだ。


「いいから寝ますよ。寝具は私が〈空間魔法〉で持ってきてますので、それを使ってください。


寝具とは言うが、先生が〈空間収納〉から取り出したのは布団のようなものだ。


客車にベットは置けないから当然か。


「女性の皆さんと、クロム君は客車の中でこれを引いて寝てください。椅子と床で寝ればいけると思います。」


「先生、差別は良くな…「区別です。レディーファースト、王侯貴族の安全第一です。」


「……不服です。」


俺と先生だけまた外か。


「皆さん、寝る用意を始めてください。」


「「「はーい。」」」


ミレアたちは先生から布団を受け取り、ぞろぞろと中に入っていく。


「カイン君、ベットを用意してあるので、私たちはそれで寝ましょう。さすがに、洞窟で地べたで寝かせては、虐待で捕まってしまいますからね。」


「先生、天井の修正お願いします。」


「ん?あぁ、そうでしたね。〈万能障壁(オールシールド)〉、〈存在迷彩(リゼンブル)〉。」


半透明の障壁が空いた天井を覆い、そして、その障壁の色が周りの岩の色へと変わった。


「私は〈創造魔法〉と〈土魔法〉が使えませんので、これで我慢してください。」


「いえいえ、凄いと思います。」


「〈空間収納〉、どうぞ。」


「ありがとうございます。」


先生が白の魔法陣からベットを片手で引っ張り出し、俺に手渡した。


俺もステータスは数十万まで上がっているので、片手でベットを受け取り、地面に置いた。


俺の隣で先生は別のベットを取り出し、地面に置いた。


今更だけど、トイレってどうするんだ?


寝る前にトイレは行かなきゃ。


先生はよく〈体調管理(ヘルスケア)〉という〈回復魔法〉を使っていたから、それで、我慢なりなんなりしていたんだろうけど、ミレアたちはどうしてるんだろ。


朝から一回も行ってないような……。


『リーシヤはドームス同様に〈体調管理(ヘルスケア)〉を使っています。クロムとメラスはリーシヤに〈体調管理(ヘルスケア)〉の魔法をかけてもらっています。ミレアは【事象眼(ゲームメニュー)】を使い、排泄した瞬間に【ポーチ】に入れ、遠くの場所で【ポーチ】から出すという方法を取っています。』


すごい技術の必要そうなことをしてるな。


是非とも参考にさせてもらおう。


俺は早速それを使い、排泄を済ませ、コスチュームにてパジャマに着替え、ベットに入った。



翌日


前世からの習慣で7時くらいには目が覚めてしまった。


周りを見渡すと、ミレアたちはもちろん起きていない。


先生は……起きてるのか。


「おはようございます。」


「おはようございます、早いですね。」


「休日だと昼まで寝れるんですけど、平日だと習慣で早く起きてしまって。」


「休日に寝れるだけいいじゃないですか。私なんて、もう歳ですから朝なんて早くにしか起きれませんよ。」


「そうなんですか。あ、朝食作り手伝いますよ。」


「ありがとうございます。」


今更だけど、先生は【鑑定】したことなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


妨害により表示できません。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


うん、やっぱり妨害された。


「私はスープの方を作るので、サンドイッチを作ってもらってもいいですか?具材と調理器具はそこに出てるのを使ってもらって構いません。」


「わかりました。」


ハムやトマトと言った具材をいい感じの大きさに切り、食パンの上に乗せる。


その上にチェダーチーズを置き、胡椒をかける。


おまけに自家製のマヨネーズもどきを【ポーチ】から取り出し、サンドイッチに薄くかける。


そして、パンで蓋をする。


「ふぅ。」


疲れた疲れた。


「こっちはサンドイッチ作り終わりましたよ。」


「私の方もスープできました。」


一人当たりサンドイッチ2個と野菜スープ。


『現在の時刻は?』


『7時17分です。』


「起きてきませんね。」


「そうですね。まぁ、8時前後に出れれば問題ないので、あと少しだけ寝かせてあげましょう。最悪、皆さんが寝たまま馬車を走らせてもいいですし。」


「じゃあ料理は任せてください。収納系スキルですので、冷めないように出来ます。」


「起きてこなかった際はお願いします。」


「ところで、まだ出発しませんよね?出来れば狩りをしてきたいのですが…。」


「いいですね、狩り。私も好きですよ。日課なんですか?」


「日課って言えば日課なんですけど、趣味……とも違いますね。うーん、金策兼レベル上げの自己練みたいなものですかね。」


「なるほど。本来はダメですけど、カイン君なら安心ですし、してきてもいいですよ。ただし、〈念話〉にはいつでも出れるようにしておいてください。」


「わかりました、ありがとうございます。」

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