2-13
ありがたい夕食を味わいながら現状を考える。
いろいろあった現在。
お嬢が詐欺占い師にだまされて金貨5枚を稼ぎに
ダンジョンに向かって3日目の夕方。
私は私で金策を行った結果。
物置小屋と合体成長し、
オプションとしてのろわれた彫刻がついている。
また宿殻の中には不思議空間が広がっている。
夕食後に探検する予定。
ふむ、現状を整理してみたが、
当初の目的が全く果たせていない。
だが、慌てることはない。
子供たちのヘアーカットの評判がすこぶる良い。
明日もし人が来るようなら銅貨20枚ぐらいで
商売にしてみようと思う。
1250人散髪すれば目標の金貨5枚だ。
・・・現実味がないな。
外壁工事の仕事も昨日今日では
状況は変わらないだろうし。
あの人形を作って売ると版権的にヤバい
気がするのでやめておいた方が無難だ。
となると、不思議空間の物がどうなるかか?
もしこちらに持って来れたら高値で売れるかな?
でも出所調べられたりしたら
厄介ごとに巻き込まれる気しかしない。
最終手段としてはありかもしれないが
今は別段いいのかな?
夕食後、ちびっ子たちと戯れた後は
物置小屋跡地に移動する。
待ちに待った不思議空間探検だ。
朝と同じように宿殻の中に潜っていく。
朝とは逆に星や月の光が見え始める。
どうやら景色は殻の中も外も同じらしい。
満点の星空の下にたたずむ小屋。
人気も明かりもなくちょっと怖い。
いや、カニ太郎さんびびりとかじゃないで!
勇気あるんでいけますから!
いけますから!
恐る恐る小屋の扉を開ける。
「ひぃ!!!」
朝方確認した部屋中央の丸いちゃぶ台。
そこに正座をしている戦士君。
ホラーである。
何この状況、わかんない。
わけわかんないよ!!!
(かたかたかた)
何かが動く音がする。
そう戦士君の頭が徐々に私に向いてくる。
はい。
逃げました。
気がついたらヤドカリ状態で不思議空間から
脱出してました。
ちょ!スラ子さん!
宿殻を叩いてスラ子を呼び出そうとするが
もう寝てしまっているようだ。
っくっそ!
きっとスラ子が宿殻に接着するから
不思議空間にも影響が出てしまったに違いない。
結局私はその夜寝ることも出来ず。
宿殻をじっと見つめて動けなくなってました。
どうなってしまったんだマイハウス。
・・・。
あたりがようやく明るくなってくる。
あ、朝日だ。
うぅ、泣いてしまう。
お日様の光がここまで心強いとは!
そんな干渉に浸っていると宿殻の中から
スラ子が出てくる。
スラ子!!!
スラ子に駆け寄る私。
何だろうか?
主従関係があるとしたら完全に私が従だ。
いや、今はそんなプライドの話はどうでもいい。
戦士君の話だ!!!
スラ子!おま戦士君なんでなん!!?
ってか怖かった!
怖かったよ!!!
スラ子に抱きつく私。
完全に従だ。私完全にペットポジだ。
完全に動転している私をスラ子がなだめると
宿殻の中に連れて行こうとする。
ん?一緒に様子を見に行ってくれるのか?
・・・ふむ。
どうやらそうらしい。
私もう、怖いの無理だからね?
離れちゃだめだからね?
スラ子を抱えると私はまた不思議空間に突入。
何だろうかこの安心感。
スラ子さんマジぱないっす。
昨日と同じく扉を開けると・・・。
いました戦士君。
昨日と同じくちゃぶ台に向かって正座をしている。
(かたかたかた)
また頭がこちらを向いた。
だが、私は動じない。
スラ子が、だってスラ子がいるんだもの!
「お、お前はなんなんだ!」
正直この質問の仕方はないと思う。
見たまんまというよりか私が作った戦士君。
でもテンパっているんで察してください。
(かた!)
いきなり立ち上がった戦士君は私に向かって
突進してきた。
「ひぃ!」
急速反転して逃げ出そうとする私。
その私の腰に向かって飛びついてくる戦士君。
「ごめんなさい!やめて!三枚にしないで!」
この幽体状態が三枚におろせるかは不明だが、
私の知っている戦士君ならやる!
ってか腰のホールドが!
「は!な!せ!!!」
暴れる私。
「・・・おはよう。」
ん?何やら受け答えになっていない言葉が聞こえる。
「戦士君しゃべれるのか!?」
「・・・しゃべれる。」
その後落ち着いてしゃべってみました。
どうやらこの戦士君。土の精霊らしい。
私の彫刻が依り代としてぱなかったらしく。
気がついたら宿ってしまっていたらしい。
もー、ホント幽霊かと思った。
・・・あれ?
でも精霊と幽霊の違いって何だろ?
い、いや。
そこは何でもいい。
大事なのは意思疎通が出来るか否か、
友好的かどうかだろう!
とにかく良かった!
何事もなさそうで良かった!
そして戦士君は特に行く当てもなく
ここの居心地がいいため、ここに住みたいらしい。
ちなみに名前を聞いてみたがないらしい。
戦士君という名称なんなので名前を付ける。
「よし!今日から君は『レガ』くんだ!!!」
特に名前の意味はない!勢いで決めた!
「一緒に住む仲間として改めてよろしくね!」
「・・・はい。」
こうして不思議空間に新しい仲間が増えた。
水道に住み着いたスラ子。
小屋の人面一柱マッキー。
戦士君ことレガ。
しかしどうしよう。
これからみんなで生活してゆくであろう私たち。
彼等が仲良くしている姿が思い浮かばない。
四六時中じっとしてそう。
この狭い空間で己を突き通していそう。
まぁ、一緒に住む仲間として上手くやっていきたい。
「「・・・」」
「が、がんばるぞー!」
自分で言っていてわからないが言ってみた。
物事の始まりを祝して的なかけ声を。
「「・・・」」
動じない!全く!!!
何か清々しささえ感じる。
まぁギスギスするよりはいいのかな?
いったいこれからどうなってゆくことやら。




