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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
117/161

9-9

いつも閲覧ありがとう!!!


面白いのか自分でも不安になって来てますが、ひとまず書ききるので!

次郎の挑発に若干動揺しているセリ。


だが、さっきまで出来る先輩を演じていたセリにとって

ここは譲れないところのようだ。



「待ってるです!!!」



そういって押入れに飛び込むと中から何かを取り出した。


あれは・・・。



「パットでのお前じゃレガ君様のニーズには

対応出来ないです!!!」



そういって持ってきた箱の中から化粧品を取り出すセリ。


そういえば使わないからしまっておいたけど、

あったなあんなもの・・・。


ってかみんな割と自由にあさりすぎじゃね?


なんでそんないろいろあるのを知ってるの?


私がそんな疑問を抱いている間にセリが

レガ君の化粧に取り掛かる。



「見ててくださいです!っすっご感じにするです!!!」



そういってレガ君の眼前ですごい勢いで作業していくセリ。


その過程をのぞき込んでみると別段ふざけたものではなく

なかなか色気を感じる仕上がりになりつつある。


いうだけのことはあるな。





でも。





目の前を飛び回るセリをつかみ顔から引きはがすレガ君。



「・・・見えない。」



まぁ、ですよね。


先ほどからテレビに映し出されるロボットアニメに

夢中になっているレガ君。


普段ならリアクションを引き出すことすら困難なレガ君。


そんなレガ君をなまじ知っているセリにとって、

この反応は想定外だった事だろう。


驚いて化粧品を放り投げるが、それがまずかった。


放り投げた化粧品がマイナスイオンを堪能している

マッキーの口にまさかのホールインワン。



「オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛。」



ちょっと初めて聞くタイプのうめき声をあげるマッキー。


そして予想外の展開に大爆笑の次郎。


あたふたしつつもどうしていいのかわからなくたったセリ。



「う゛うぅーーーー!」



そう、うめきながら部屋から出て行ってしまう。


まったく。


この世界故なのかこのメンツ故なのか、

ごたごたに事欠かないことこの上ない。






一先ずマッキーから化粧品を取り除き、

次郎とレガ君を無理やりちゃぶ台の前に座らせる。



「あのね?セリもなんやかんや言ってみんなと

過ごすことになるんだから、仲良くしよね?」


「あんな生意気な先輩は・・・。」



第一印象ですでに苦手意識をもってしまった次郎。


まぁ、わからないでもない。


レガ君がこっそりと取ろうとしたちゃぶ台の上の

リモコンを手に持ち。



「確かに生意気だよ?でもあいつだって

根は悪いやつじゃ・・・。」



そう言いかけて今までのセリの行いを思い出す。


そういえばアイツのせいで妖精の森で死闘になった気が。


そんな思いが脳裏をよぎる。



「いや!いやいや!!!

でもあいつにだっていいところは・・・!」



そう思って再度今までのセリの行いを思い出す。






どうしよう。


なんで私あいつかばってんだろう。


そんな戸惑う最中、

私が目を逸らした隙にテレビの前へ移動し、

デッキを直接いじろうとするレガ君。



「レガ君?それつけたら残りのDVD叩き割るよ?」



私の言葉にゆっくりと反応し元の位置に戻るレガ君。



「・・・みんな。・・・仲良く。」


「そう!レガ君いいことを言った!!!

私はね、『次郎』って名づけられた君に対して

どうしても私の面影を見てしまう。」



何か良くわからないスイッチが入っていく私。



「この世知辛いメンツの中でやっていくうえで

嫌なものを拒絶するというのは安易で一見楽かもしれない」



拳をふるって次郎に訴えかける。



「だけどな?そんな拒絶したところで解決できない

どうしようもならない問題だってあるんだ。」



この世界に来てからのドタバタが走馬灯のように蘇る。



「きっと次郎も役目を果たす上で辛いことや嫌なことに

ぶち当たることがあるかもしれない、でも

それを拒絶し続けていたらいつか次郎の心が壊れてしまう」



なんか少し涙腺が・・・。



「だから私は次郎がそんな嫌なことに負けない。

許容できるだけの大きな器を持った奴になって欲しい。」


「カニ太郎さん・・・!」


「次郎・・・!!!」



がっちりと手を握り合う私たち。



「・・・うん!・・・うん!」



嬉しそうにうなずくトラブル発生装置のレガ君。


そんなレガ君を見る私に次郎が何か気が付いたのだろう。



「か、カニ太郎さんも・・・!!!」



二人の握る手に力がこもる。


そうだよな、次郎。


お前も大変だったんだよな。


遺跡で恐らくレガ君に散々な目にあわされたであろう次郎。


二人は同じ傷を持った者同士ということに気が付いたのだ。






こうしてかつてない仲間と信頼を得た私。


後は、一応セリも何とかしないとな・・・。

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