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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
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9-8

閲覧ありがとうございます。

新参者をテキパキと指導するセリ。


落ち込んでいられるよりかは遥かにより、

偉そうにふんぞり返るだけでなく

きめ細やかな指導には面倒見の良さをうかがわせる。



ただ。


ただ、その指導内容に私の悪意が込められている

事には若干の不安が漂う。



そんな光景を眺めながら如雨露に水を入れて

再び庭に出かけようとすると。



「・・・次郎。」



「だから、私は太郎だよ?」



レガ君が私の肩を掴んでくる。



「そもそもなんで次郎?」



私の問いかけに対して

レガ君は微笑みながら次郎を指さして。



「・・・表情が似てる。」



うあー。



うあぁーーーーーー。



私いつもあんな表情しているのか?


生き生きと指示をするセリに

哀愁を漂わせた次郎が力ない表情で愛想をうつ。


優しく、優しくしてあげねば。


次郎に対するさらなる親近感を覚えたところで。



「・・・依代どうする?」



そうレガ君が聞いてくる。


そういえばそうだった。


精霊が顕現しているのに必要な依代。


精霊は自身の特性を持った依代があることで

その存在をより安定して顕現することが出来る。


私たちではレガ君にとっての女神像、

フーシェにとってのペットボトル風車がそれにあたる。


なくても一応は大丈夫のようだが、

精霊自身に強い負荷がかかるだけでなく

周囲の環境に何かしらの影響を与えてしまうらしいので

ちゃんとしたものを用意しないといけない。



ということでレガ君が次郎を呼び寄せる。



「・・・依代、何がいい?」



そういわれてしばし考え込む次郎。



「もう、なんでもいい・・・。」



完全に自暴自棄な次郎。



「ここにあるものだったらなんでも好きにしていいぞ!」


「え?ここはレガ君様とマッキー様の神殿じゃ?」



私の発言に対して疑問を投げかける次郎。


マッキーに関しては正直わからないが

ここの家の所有権は私にあることは間違いないらしい。



「ホント!?じゃあ!」



そういってコンセントの中に入っていく精霊さん。


そうして姿が消えるのと同時に部屋の中央に位置する

電球が発光する。



「「「!?」」」



私を含めそこにいた全員が驚く。



「やっぱりここ落ち着く。」



そういってコンセントから顔を出す精霊さん。


どうやらこの子は電気の精霊らしい。



・・・ということは。



近くにあったテレビのリモコンをつけると

画面に砂嵐が映し出される。




「おぉ!?凄い!電化製品が使える!!!」



さすがに放送は来ていないがテレビだけでなく

これですべての家電が使えるようになった。


こういった文明の利器にはレガ君も多少驚いたようで。


色々といじくり倒し、今は記録媒体に録画された

ロボットアニメにご執心のようだ。



「・・・すごい!次郎・・・えらい!!!」



初めて聞くかもしれないレガ君の誉め言葉。


よほど気に入ったのだろう。


テレビの前に正座しながらガン見し始めた。


まぁ、私も冷蔵庫が使えるようになってほくほくだし。


マッキーもマイナスイオン発生装置に喜んでいるらしい。



みんなが思い思いの家電に満足する中。


一人面白くないお顔のセリさん。



先ほどのヒエラルキーをでもわかる通り、

自分を通り越して自分の上司に気に入られたのだから

まぁ、わからないでもない。



「はん!新人にしてはまぁまぁです!!!」



若干動揺しつつも虚勢を張るセリに対して。



「まぁ、私なんか先輩に比べたら。・・・あ!

先輩のすごいところ見てみたいな!!!」



状況の優位性を確信した次郎がまさかの逆襲に転じる。


何?


何このぎすぎすした状況は?




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