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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
111/161

9-3

いつも閲覧ありがとうございます。



「あー!偽物が戻ってきた。」



お嬢が照らした遺跡の中から照らし出されたのは

小さな精霊?だった。


小さな精霊はお嬢の灯に反応して黄色に光り輝く。



「お前のせいで準備し直しだからな!!!」



レガ君の頭に乗っかってポカポカ頭をたたく。



そしてこの精霊の声に気が付いたであろうほかの精霊も

集まりだしてきている。



「偽物がまた来てるー。」



わらわらと集まってくる精霊たちに

適度な攻撃を受けるレガ君だがまったく動じない。



お嬢どうしよう?



お嬢に対応をうかがおうとするが

お嬢はすでに魔石を一定間隔で置きながら中へ進んでいる。


相変わらず面倒ごとにはかかわらないスタンスのよう。


確かにこの感じだと話し合いって雰囲気ではない。



「わー変態が戻ってきた。」


「違うよ!偽物だよ。」


「えー。でも『乳、乳』うるさい変態だよ。」



精霊たちの会話の中にそんなやり取りが聞こえる。


レガ君?


もしかしてその体型気に入ったからって

変なことしてないよね?


私の問いかけに対して。





「・・・知りたい?」



そう若干照れながらゆっくり聞き返された。


もうあかん。


これは手遅れのパターンだ。



とにかくもう起きてしまったことは仕方がない。


今は状況がこれ以上悪化する前に

何とか精霊さんたちに落ち着いてもらえないだろうか?


そう私が考えている間にも精霊達の数が増えてゆく。



「何?何ー?」


「偽物がまた来たよ!」


「違うよ!変態がまた来たよ!」



小さな精霊たちがほほえましい喧嘩を繰り返す中

一つの誤植が生まれる。



「偽・・・。乳・・・。偽乳だ!」


「「「!!!」」」



わらわらと集まった精霊達の中から

そんな声が聞こえてきた。



「っぷ!おい!偽乳邪魔しに来たなら帰れよ!」



そうしてレガ君の頭の上にのった精霊の一言を皮切りに、

周囲の精霊達から一斉に偽乳コールが始まる。



もうどうやら手におえる状況ではないらしい。


・・・仕方ない。


レガ君、探索はお嬢に任せて私たちは一旦退こうか?



そうレガ君に伝えて手を引こうとするが動かない。



「・・・っふっふっふ。言ってくれる。」



そういって頭にいる精霊を捕まえようとするレガ君。


だが、それを察した精霊がレガ君の手をするりと逃れ。



「捕まるか偽乳ーーー!!!」



そう叫ぶ精霊さん。


まぁ、小さい子が良くやるような挑発だ。


こういうのはムキになったらだめだからね?


私がそう諭そうとしたその時。


不意に地面が揺れ始める。



え!?


じ、地震!?!?


この世界に来てから初めて体験する地震。


元の世界である程度慣れている私でも

ちょっとビビってしまう大きさだ。


だが、そんな激しい振動の中でも影響を受けずに。



「・・・ちょっと説得してくる。」



と、わけのわからないことを言い残して、

逃げて行った精霊の方へと消えてゆくレガ君。


表面に現れてはいないが確実に不機嫌であろうレガ君が

単独行動をするという時点で事件の匂いが香ばしい。



・・・やばいよ。


やばいよ!急いで止めなきゃ!



お嬢!?レガ君止めなきゃ!?



振り返るがすでにそこにお嬢はいない。


点々と地面に置かれた足元を照らす魔石が

レガ君が消えていった方向とは別の方へ続いている。



ふふ。


もうみんな自由すぎるだろ。


一丸となって物事に当たるって事をね・・・。




ってそんなしんみりしている場合ではない。


とにかく地震の事もあるし、お嬢と早く合流しないと。





足元に淡々と残された魔石をたどると、

すぐさまお嬢を見つけることが出来た。


私の足音で私に気が付くお嬢。



「か、カニ太郎大丈夫!?」



・・・?


なんかいつになくテンパっているお嬢。


そんな地面にはいつくばってどうしたんですか?



そんな疑問を浮かべた瞬間、再度軽い地震が起こる。



「きゃ!!!」



すぐに収まる程度の揺れだったが、

そんな地震なんてどうでもいい。



初めて聞いた。



お嬢が悲鳴を上げるなんて!!!



何?


何々?


お嬢地震怖いの!?


怖いものなんてないと思っていたお嬢が

ビビる姿に興奮する私。


でもそんな私の態度に怒る余裕もないらしく。



「ん!んーーー!!!」



抜けてしまっているのであろう足腰を震わせて

必死に私へ手を伸ばしてくる。



何このお嬢!




「もう!か・わ・い・いぃーーーーーー!!!」



私の聞いたことの声が突如として聞こえてくる。

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