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日付も変わり私が宿殻空間で洗濯をしていると。
「・・・ついたよ。」
そうレガ君が知らせてくる。
昨日あの騒動に巻き込まれたばかりなのに
翌日には目的地というのはやはり移動速度が早い故か。
やっぱり空が飛べるって便利だなー。
私がそう思いながら後片付けと身支度を済ませて外へ出る。
宿殻の外は妖精の森とはまた趣の違った森で、
生えている植物の種類に明らかな違いがあるようだ。
そして目の前には石造りに苔の蒸した遺跡があり、
それを眺める様にお嬢が立っている。
「カニ太郎。あれどう思う?」
お嬢が示す先には扉らしきもの。
かなり時代を感じさせるが問題はおそらくそこではない。
『大歓迎!リサちゃん御一行様!!!』
アンマッチにもほどがる。
つい先日作りましたと言わんばかりの新品看板が
扉の前にでかでかとたててある。
しかもこれでもかというほどのライトアップ。
もう見てると目がちかちかして仕方がない。
そんなあれを見てどう思うかって?
とりあえず純粋に受け止めるなら歓迎されているのでは?
・・・もちろん罠かもしれないけど。
正直どちらにしてもちょっとないかなー。
私が微妙な反応をしていると。
「あんたちょっと見てきなさいよ。」
そういうお嬢。
えー。
何ひよってるんですかお嬢。お嬢らしくもない。
でもさすがにお嬢の気持ちもわかる。
いくら勇猛果敢なお嬢でもあれは違う意味で躊躇する。
お嬢はあまり大々的に歓迎されるのが好きではないし
罠だったとしてもあんなふざけた罠にしてやられるのも
恐らく癪なのだろう。
無論それは私も同じ。
お嬢の命令をやんわり拒否する私。
そんな私達のやり取りを見ていたのであろう。
レガ君が例のプレートを手に扉まで歩いていく。
年季の入った遺跡の扉はレガ君が持っている
プレートを検知したのかその扉をゆっくりと開けていく。
扉の先は日中にも関わらず完全な暗闇。
恐らく入り口付近においても一切光が漏れるような
隙間などがないのだろう。
その黒一色の中へとてくてく歩いてゆくレガ君。
こういう時には無頓着なレガ君が頼もしい。
レガ君の姿が消え、足音がだけが聞こえてくるなか。
・・・。
数分の後。
突如として連続した炸裂音が中から響き渡り。
「「「ようこそ!!!リサ様!!!」」」
奥からそんな掛け声と聞こえてくる。
どうやらお嬢の命を狙った罠的なものではなかったらしい。
ただ。
「「「えぇーーー。」」」
なんかすごい残念そうな落胆の声が響いてくる。
何だろう、この嫌な感じは。
あからさまにサプライズをダメにしてしまった気が・・・。
心配が脳裏をよぎる中、暗闇の中から
体中を極彩色の羽や装飾でデコレーションされた
レガ君が現れる。
「・・・大丈夫。」
そうゆっくりうなずくレガ君。
いや、レガ君なりの気遣いで安全を
確かめて来てくれたのはわかる。
ただ、きっと違う意味で大丈夫じゃない事に
なっている気がしてならない。
この遺跡の中に入ってゆく難易度が上がった中。
「帰りたい。」
そうつぶやくお嬢。
わかる!
わかるけどお仕事だからね?ね?
気の抜けたお嬢を何とか引っ張って遺跡の中へ
私たちは入ってゆく。
外見とは裏腹に地面は綺麗に固められており
暗闇でも躓く心配はなさそうである。
壁伝いに進もうとするが、
すぐさま大きな空洞になったらしく
ゆっくりと足元を確認しながら進んでゆく。
お嬢が視界を確保するために
魔石に魔力を籠めて光をともすと・・・。




