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異世界ヤドカリ物語  作者: 村吏
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8-19

閲覧ありがとうございます。


投稿予定が狂ってしまい申し訳ありません。


引き続き楽しんでいただけるよう頑張ります。


「なんかもっとお金になりそうなものあるでしょ!?」



自分の欲しいのものを率直に伝えるお嬢。


セレブに迫るお顔がとっても邪悪です。



「お金でちゅか?あいにくこの森では貴金属は・・・。」



一瞬考え込むと何か思い当たる節があったらしく。


側付きの者を呼んでお嬢を案内させた。



「では、お邪魔虫がいなくなったところで。」



そういうとあたりから驚くような数の生き物が出てくる。




「この度のご助力、改めて感謝申し上げまするでちゅ。」



びしっと姿勢を正し、深々と頭を下げるセレブ。


そしてそれに合わせて現れた生き物たちも頭を下げる。




なんだか圧倒されてしまう。


感謝が重みをもってこちらに押し寄せてくる感じ。


元の世界の記憶から今に至るまで

ここまでの感謝の気持ちを伝えられたことはない。


正直おののいてしまうが、

彼らにとってはそれほど切実な事態だったのだろう。



「色々とお礼の品はありまちゅが、まずは・・・。」



そういうと匠さんが脇から出て来て私の宿殻に触れる。



するとなんということでしょう・・・!


樹が抜けてボロボロになっていた私の宿殻が

元通りの綺麗な宿殻に。



何かのスキルなのだろうか?



とにかく元通りになった宿殻を嬉々として確認する私。



宿殻を身に着けて体を左右に振ってみる。



そう!この感じ!!!



この樹があることで発生するこの重心がないと

私の宿殻って感じじゃないんだよね。



残念ながら宿殻空間はダメみたいだが

これでいつもの宿殻が戻ってきた。



「では次のプレゼントは・・・。」



セレブが何やらごそごそし始めると不意に後ろから。



「・・・じゃあ私で。」



え?


この声。


いつもの聞きなれた無感情で淡々とした喋り方。


後ろを振り返ると先ほどの石像が動いて私の隣にいる。



え?うそ?レガ君!?



「・・・そうだよ。」



石像の姿で語りかけてくるレガ君。


女王様と一緒に穴の中に落ちて行ってから

ずっと、ずっと心配していた。


感極まってレガ君を抱きしめる私。



「・・・ふふ、大切にしてね。」



なんかちょっとずれた発言をしているが

それこそまさしくレガ君だ。


半泣きでうなずく私を抱きしめて慰めてくれる。






そうして気持ちが落ち着いたころ合いで。



「では、精霊様が宿られたその依代は

守護戦士様へ奉納させていただくでちゅ。」



良いんですか?


なんかめちゃくちゃ高そうなんですが。



「問題ないでちゅ。むしろ精霊様に依代として

使っていただけるのは栄誉でちゅ。」



そういってニコニコするセレブ。


どうやら気をつかって言っているわけではなさそうだ。



「それと今手に持たれているその僕の木像も

プレゼントするでちゅ。

人間にはわからないみたいでちゅが、

その中に入っている種は先代の世界樹様が

守っていた大切なものでちゅ。」



おぉ、なんかすごそうな種。


でもそんな種をこんなギミックに利用して・・・。


いや、深く考えるのはよそう。


セレブに改めて感謝する。



「まだまだでちゅ!そしてこれがとっておきでちゅ!」



何やら興奮気味のセレブ。



「守護戦士様!

僭越ながらこのゴールディ・花守・忠左衛門から

『プチ・セレブ』

の称号を贈らせていただくでちゅ!!!」






おう?


鼻息荒く高らかに宣言するセレブ。


『プチ・セレブ』って?


なんか名誉職みたいなものなのかな?


私の疑問が頭をかけめぐるなか周囲がざわつき始める。



「マジかよ。」


「なんてことなの・・・。」


「ふぉぉおぉおぉおおぉ。」



周囲のガチな視線が突き刺さる。



「さぁ!新たなセレブの誕生でちゅ!!!」



セレブの掛け声と共に一斉に一同の喝采が飛び交う。



「「「「セレブ!セレブ!」」」」



さっきまで粛々と感謝の意を表明していた一同とは

思えないほどの狂乱ぶり。


何このセレブコールは?



「さぁ、守護戦士様もお手を!」



そういわれたのでひとまず片手をあげてみる。



「「「セレブ!セレブ!」」」



私に向けて喝采とセレブコールが巻き起こる。


何これ?ちょっと面白い。




あげた手を下げると落ち着く一同に対し、

今度は両手をあげてみる。




「「「「セレブ!!!セレブ!!!」」」」



もう大喝采の嵐。


何これ!面白いんですけど!!!?



こうしてお嬢がくるまで調子に乗った私が

セレブコールを浴び続けることとなる。

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