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鬼多見奇譚 参 戦慄の人造神  作者: 大河原洋
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闇

  やっとマサムネくんを見つけたのに、またいなくなっちゃった……


 紫織は再び孤独な闇の中にいた。


 達也に出会って光が溢れた。


 温かく、気持ち良く、安心出来る場所だった。


 なのに、どうしてだろう?


 明るいのに暗くて、気持ちいいのに不快で、安心してるはずなのに不安だった。


 でも、達也がいるのなら一緒にいたい、もう独りぼっちは嫌だ。


 紫織は嫌な事は考えないようにしていた。


 そうしたら突然、政宗が現れた。

 

 同時に光は消え、世界は闇に包まれた。


 達也もいなくなり、淋しくて彼女は政宗に抱きつこうとした。


 大きなその背中に乗って、この闇から連れ出してもらおう。


  それなのに……


 政宗もいなくなってしまった。


 一瞬、彼と一緒に叔父の姿も見えた気がしたが、どちらにしろ今は独りぼっちだ。


「いやだッ、いやだよッ、アタシをひとりにしないで!

 マサムネくーんッ、ボンちゃーんッ、おねーちゃーんッ、ジィジー!」


 誰でもいいから会いたい、何も無い闇の中にたった独りでいるのは耐えられない。


 紫織は闇の中をさまよい続けた。


「おかーさーんッ、おとーさーんッ、アキにいちゃーんッ、おじちゃーん……タツヤー!

 だれか……だれか、へんじしてよー!」


 いくら叫んでも、その声に答える者はいない。


 もう、歩けない。


 紫織はその場に座り込んだ。


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