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noteの小部屋  作者: 小椋夏己
20260531(日) 「毎週ショートショートnote」

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9/24

未練配達人

 マンションの宅配ボックスを開き、私は一つため息をつく。


「またか」


 入っていたのは一抱えほどある段ボール箱。差出人は確認するまでもない、半年ほど前に別れた元夫だ。毎週のように奴からこんな荷物が届く。


 三年付き合って結婚したら、とんでもないマザコンの本性を現した。そこから揉めに揉めて、やっと離婚届を出して解放されたと思ったらこれだ。


 おそらくママンの入れ知恵、私が好きだったものなんかを詰め込んでは復縁を匂わせて送ってくる。


 最初のうちは在宅時間に送ってきて受け取り拒否していたのだが、どうやっても受け取らせようと思ってか、仕事にいる時間を狙ってロッカーに入れられるようになった。


「君への愛を込めて」


 違うから。今、あんたが送ってくるのは未練だけ。本当に私を愛しているのなら、私が本当に望むものをくれるはずでしょ。


「今のあんたはただの未練配達人」


 そうつぶやいて、私はまた着払いの送り状を貼り付けた。

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