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noteの小部屋  作者: 小椋夏己
20260816(日)「毎週ショートショートnote」

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高校野球怪談

 テレビで日本人メジャーリーガーの話題を取り上げている。


 それはいつものことなのでもう何も思わないが、今回は時期的に取り上げ方が少しばかり違っていた。その選手の高校時代の映像を流している。


 今はまるで生まれながらのアメリカ人のように素晴らしい働きをしているその選手、日本の片田舎で生まれ育ち、注目され始めた高校球児の頃にはなんとも垢抜けない少年だった。


 丸坊主、赤い頬、眉も太くいかにも善良な高校生という感じ。


 テレビの中のアナウンサーとゲストが声を揃えて同じように繰り返していた。


「これが今のあの姿ですよ、よく化けましたよね」

「今からは想像できない素朴な姿、よく化けたよなあ」

「ええ、化けましたねえ」


 もちろんいい意味で化けたと言っているのは分かっている、垢抜けたという意味だろう。


 だが、夫が思わず、


「そんな化けた化けたって言ってやるなよ、お化けじゃあるまいしさ」


 まるで怪談のように言ったので思わず笑ってしまった。

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