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noteの小部屋  作者: 小椋夏己
20260726(日)「毎週ショートショートnote」

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じゃない不倫

 最近推しができた。いわゆる2.5次元俳優で、そりゃもう素敵。


 だが3つ年下の夫はそれが面白くなくてしょうがないらしい。


「また推し活?」


 人が機嫌よく楽しんでいたら、そう言ってすねる。


 ある日とうとう、彼は言ってはいけないことを言ってしまった。


「ボクより彼の方が好きなの? それって不倫だよね?」


 この一言にカチンと来た。


「そこ座れえ!」


 力の差は歴然、私の怒声に夫はぴょこんと正座。


「いいか良く聞け、あんたと彼では全然違う! あっちはかっこよくってその見た目を売り物にできる人、あんたは手乗りテディベアだろうが!」

「手乗りって……」


 夫はクマのぬいぐるみみたいな顔をクシャッと歪めて泣き顔になる。


「つまり売り物、観賞用! あんたは実用! 実際に抱っこするテディベア!」


なぜかその言い方で納得したらしく、それからは一切何も言わなくなった。


 でも本当はちょっとだけ、じゃないけど不倫気分もあるのかも。ごめんね実用クマさん。

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