エッセイ「えべっさんだけは最後」
「夜店からではなくまずお参りを済ませなさい」 こんなことを言われた記憶がある方も、いるのではないかと思います。
これは縁日というものは、神社仏閣のお祭りの日に出るものなので、まずは神様や仏様にお参りをしてから遊びなさい、そういうことからです。お邪魔しておいてご挨拶もなしで遊ぶのは失礼にあたるという意味ですね。
少なくとも私は旅先でお寺や神社にお参りする時にも、まずお参りをしてからでないと買い物したり何かを食べたりはしていないと思います。続けてお参りする中間にお昼を食べてからというのは、まあ遠方まで足を伸ばしてるのでちょっと大目に見てもらいましょう、ぐらいのことはありますが、お土産や記念品を抱えてからお参りに行くことはまずありません。その神社やお寺に入ったらまずお参りしてからお店を見るのが順番です。
もう何年も行ってませんが、昔はよく東京に遊びに行っていて、その時にはほぼ毎回浅草に行ってました。仲見世をずっと歩いて浅草寺まで行き、お参りを済ませてから帰り道に父の好きだった「雲丹豆」を買って帰ってたのを思い出します。他は色んな物を買ってましたが、あれは一度買って帰ったらお気にいりになっていたので、必ず買ってました。懐かしいなあ、二軒豆屋さんがあったんですが、今もあるんだろうか。
そんな感じでお参りしてからお買い物がお約束ですが、一柱だけ、先にお参りしてはいけない神様がいらっしゃいます。
「えべっさん」
関西ではそう親しみを持って呼ばれていますが、
「恵比寿様」
のことです。
えべっさんだけは先にお参りして帰りに買い物したりご飯を食べたりしてはいけません。どうしてかと言いますと、えべっさんには「福」をいただきに行くのです。帰りに寄り道したらそのお店にせっかくいただいた福を置いてくる、落としてくるのでお参りしたらとっとと家に帰らないと。
毎年えべっさんには行きますが、なのでお参りの後で買い物するのは御札とかだけです。神社の敷地から出たらまっすぐ家まで一直線。私が今行くえべっさんは由来は古く歴史はありますが小さい神社なので、数軒だけ出ている屋台も見ずに帰ってきます。敷地内のお店とかはいいのかも知れませんが、なんとなく気分的に、ね。
縁日とは、普通の夜店やお祭りとは違い、神様仏様のご縁をいただく日のことです。そのあたりをよく知って、えべっさん以外の縁日の夜店は、まずお参りを済ませてからにいたしましょう。




