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noteの小部屋  作者: 小椋夏己
20260702(木)「水たまり」からはじめるnote・シロクマ文芸部

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エッセイ「水たまり久しく」

 水たまりにしばらく出会ってないなと、ふと思い出す。


 どうしてかというと、ほぼ移動が車だから。マンションの機械式駐車場から車を出して乗り、そこそこの雨だったら半地下の車庫に入れてすぐ外の階段を上がって実家に向かうので、水たまりを通ることがほぼない。たくさんの雨だったら実家の前に停めるので、やはり水たまりを通るほどの道はない。


 水たまりを考えながら、あまり健康的な生活はしてないことに気づいてしまい、いかんなと思うけど、生活と仕事に車が必要なので、どうしてもそうなるのは仕方ないと自分で自分に言い聞かせる。


 幼稚園、小学校と進級し、中学校を卒業するまでは学校まで徒歩だったので、雨の日と雨上がりには水たまりには当然出会っているはず。ほぼ全部舗装した道路でも多少の水たまりはあったかとは思うけど、何しろ坂の街に住んでいたので、溜まらず流れしまう水も多かったはず。なので大きな水たまりの記憶はほとんどない。


 高校は自転車通学だったので、やはり舗装された自転車道路を走っていると、ほぼ水たまりはなかったかと。大学からはバイクと車、その頃からちょっと縁遠くなってるかな、水たまり。


 職場は駅から徒歩だったけど、街中だったので水たまりができるほどのでこぼこはなかった気がする。たまにちょっとした水たまりに足を突っ込むぐらいのことはあったかも知れないけど、とにかく絵に描いたような水たまりってよっぽどの大雨の時ぐらいしか思い出せない。


 私の中の水たまりのイメージ。そこそこ幅が広いけど浅い水たまりに長靴の子どもがえいっと一歩踏み出して叱られる。その時雨上がり、水たまり一面に青い空と白い雲が映っている。


 だけど思い返せばそういう水たまり、私の周囲にはなかったような気がしてきた。さっきも書いたけど、一歩家を出るとずっと坂、斜めの道、広く浅い水たまりはできにくい。


 では、あの水たまりは一体どこのどんな水たまりなんだろう? もしかしたらドラマか映画か絵本、マンガ、アニメ、そういう中に出てきた水たまりなのかも知れない。


 梅雨の今の時期、絵に描いたような水たまりに出会いたいなと、ちょっとだけ思ったりしてしまった。

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