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モリスが地球を踊るとき  作者: morriss090
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33 そ、そうだったのか…


「そ、そうだったのか…。」


舞台のそでで、根角さんがうずくまって、低い声でうめくようにつぶやいていた。

ど、どうしたというのだろう…声をかけづらいほどの悲壮感が…


「ネズミと人間の関係は…敵じゃなかった…」


震えながら、嗚咽交じりに


「支配されてなかった…俺は…」


僕は根角さんの横にしゃがんだ。

何ができるわけじゃないけど、根角さんの心になかに何か大変なことが起きていると思ったから。根角さんは、僕に気が付くと、目に涙を浮かべながら、それでも

しっかりとしゃべりだす。

多分、しゃべることで整理をしようとしてるんじゃないかと思った。


「ネ、ネズミは…地球を支配することは…できない…」


「ネズミ…?支配…?」


「人間も…地球を支配することは…できない…」


「人間…?支配?」


僕は、根角さんの言ってることのほとんどを理解できない。

とりあえず、聞いていよう…根角さんの心の叫びを…


「地球は誰にも支配されないし、誰かが誰かを支配しない。僕が間違っていた。世の中のネズミに対する反応は確かに不当だけど。」


下を向いた根角さんの目から涙が落ちた。


「だからと言って、ネズミが世の中を支配するべきだなんて考えは、傲慢だった…

 僕はただ単に大変なことを…しでかした…」


根角さんは、幽霊のように立ち上がり、僕に向かって己の罪を告白し始めた。

どうやら、根角さんは、先だっての大規模停電の犯人らしい。


え?

そ、そ、それは、ニュースでやっていたほどの犯罪じゃないか。

テロの疑いもあるとのことで、近隣の外国人の取り締まりも強化されていて、モリスも

何回か職質を受けたくらいなのだ。

あの、大事件が、この大人しそうな、無害そうな、優しい根角さんの仕業だと…?


「一体、どうやって…」


根角さんはうつむいている。


「とりあえずは、楽屋に帰りましょう、そこで、ゆっくり。ね?」


モリスが袖にはけて、次の演者がスタンバイできたら、僕たちは楽屋に戻っていいことになっている。僕は憔悴している根角さんを伴い、お先に失礼しますと、外に出た。

根角さんが移動すると、ラットたちも、ぞろぞろとついてきた。

心なしか、彼らもしょんぼりしているように見える。

泣いている根角さんと僕の後ろにネズミの行列ができ、一番後ろに派手な衣装を着て、たくさんの荷物を持ったモリスがついてくるので、僕たちの一行はさぞかし、奇妙に見えただろう。


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