28 結構、並んでるな…
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「結構、並んでるな…。」
マック警部とワンダーランドを堪能中の仙田とは、打って変わって、幸田は捜査とは名ばかりに待合ゾーンで暇をつぶしていた。少しおなかがすいたのでコンビニエンスストアで腹ごしらえをと思い、レジに並んでいたのだった。
前のお客さんが、結構大量に買っていたので、これは少し時間がかかるなあと、ぼんやり待っていたら、突然、目の前がうす暗くなった。
レジのおばちゃんが叫ぶ。
「店長―!レジ落ちたよー!どうなってんの?」
ざわつく店内…
なに、停電?
ブレイカー?
え?
暗い?明るい?
幸田も注意深く店内を見渡してみる。
先ほどまで品出しをしていた店員は壁の配電盤を開けて、ブレーカーをチェックしている。
不意に外に偵察に行っていたらしき店員が戻ってきて、大きな声で言った。
「付近一帯、全部停電―!」
外は昼間で明るいから、この店だけ停電なのかと思ったら、地域的な停電だったのか。
しかし、落雷ならともかく、すこぶる良い天気、地震でもないし…
原因は何だろう。
ここは、先の大地震でも停電を免れた地区なので、その対応は多くの人にとって初めての経験となる。
店では大柄の店長らしき男がマスターキーをもって登場し、電気的ではなく、鍵でレジをあけることに成功した。
レジのおばさんは
「確か、おつりは256円だったわね。レシートが出ないんだけれど…」
「ええ、いいわ、いいわ。それよりはやく家に帰ってみてみないと。」
お客さんは、そそくさと店を出ていった。
はたして、残されたレジ待ち組はどうすべきなんだろう?
幸田も考えあぐねていた。
すぐ復旧するなら、少し待っても会計を済ませたいものだが…
と思ったら、すぐに店員の
「復旧のめどが立ちませんので、いったんレジを止めさせていただきます。お品物は当方で戻しますので、置いて出てください。」
の声。
そこまで言われたら、ひとまず外にでるしかない。
うら暖かく、明るい日差しの下で、外に出てしまえば、停電の悲壮感はみじんも感じられない。そこに、電話が鳴った。
出てみると、署長からの直電だった。
「お前ら、ワンダーランドにいるんだろ?」
「あ、はい。今は、マック警部と先輩がバディで行動…あ、休暇中でしたね。」
「あ、そうか、休暇だったな…しかし、お前らは勤務中だ。
その辺付近一帯が停電しているんだが、原因か不明だ。
原因個所をメールで送るから、応援に行ってくれ。」




