表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モリスが地球を踊るとき  作者: morriss090
28/36

27 犬ってすげぇ


「犬ってすげぇ。」


ゴールした時、マック警部はちぎれんばかりに尻尾を振るだけだったが、仙田は自分は何一つ体を動かしていないのに軽く息が上がっていた。


仙田は、ワンダーランドをブームにのっただけの軽薄なテーマパークと決めつけたことを疑い始めていた。


そして、少し落ちいついて、冷静な目で改めてパーク内を見渡す。

入った時から、感じていた違和感、そうか、このパークには…


赤がない。


最初に入ったゲートも、その奥にあった公園の花壇にも

アトラクションも、そして、係員の制服さえも。


黄色と青、緑、アクセントに白と黒は存在している…どういった訳だろう。

疑問に思ってすぐそばにいた係員に聞いてみた。


すると、意外な答えが返ってきたのだ。


「犬の視点では、赤を見分けることはできないんですよ。」と


係員はそういった疑問を抱く人用のパンフレットを渡してくれた。

仙田は、心の中で、犬にきいたんかいな…と突っ込みをいれながら、パンフレットを開いてみた。



犬の視神経は17万本あります。人間には120万本ありますので、比較するととても少ないです。どのくらい見えているかを、視力検査のように具体的な数字で表すことはできませ

んが、だいだい、10mはなれていたら、飼い主の顔を判別することはできません。




「ホントかよー。」

思わず、声が漏れてしまう仙田。

軽い装丁のわりに、骨太の内容だったので、すこし、じっくり読んでみたくなった。

あたりを見回すと、休憩所があったので、そちらに移動して、椅子に座ることにした。


マック警部もすこし休憩したくなったらしく、仙田の足元に座って目を閉じた。


「犬はボールとか投げたら、上手にキャッチするし、そんなに見えてない感じはしないんだが…。」


仙田の疑問に答えるように、パンフレットは続く。



だからといって、犬の視力が人間に劣っているわけではありません。犬の視野は非常に広く、人間の視野が220度であるのにたいして、300度以上見えています。

これは狩りにとても適した視野です。

もうひとつ、狩りに適した特徴として、動くものに敏感であるという性質を持っています。むしろ、静止したものは、あまり見えていないと認識しましょう。



「そういった訳か…、でっ?」


仙田は夢中になって読んでいる。



犬は色を選別する錐状体という組織を人間の10%ほどしか持ち合わせていません。この数すくない錐状体では黄色と青色のみ認識し、赤は暗いグレイに認識されます。



「それでこの施設は、この配色なんだな…ふーん、これが、こいつが見てる世界か…。」

仙田はそうつぶやくと、いったんパンフレットから目を離して、ベンチの横に建てられたパークマップを見る。


各アトラクションの下にカッコ書きで(においの体験)(体温の体験)などと書かれている。

どのアトラクションも犬と感覚を共有できるようになっているのだ。

仙田はわくわくする気持ちを抑えることができなくなった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ