26 フーン……こ、こ、が、ワンダーランドね
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「フーン……こ、こ、が、ワンダーランドね。」
仙田幸田両刑事とマック警部は、早速ワンダーランドにやってきた。
そして、早速問題にぶちあたった。そう、人間二人に、犬一匹。
人間が一匹あまる組み合わせ。
幸田刑事がすかさず、
「僕はいいです。実は、遊園地苦手なんで、待合ゾーンで待ってますよ。
どうぞ、ごゆっくり。」
すると、仙田刑事は、プイと横を向いて、いらだった声で
「なんだ、その言い方は。俺たちは捜査に来たんだ。遊びじゃないぞ。」
と、そんな先輩の横顔を見て、
「あ、ごゆっくりって言ったところが気に障ったんですねー、もぉ、そんなのいいのに…
先輩は頭が固い…」
幸田はブツブツ言いながらも、居住まいをただすと、しっかりと敬礼しながら
「自分は待合ゾーンの捜査を担当します!」
シャキーン!
仙田刑事はフムと鷹揚にうなずくとマック警部を連れて、いや、マック警部と連れ立って、ワンダーゾーンに向かっていった。
幸田刑事は、大きいほうの影が小さくリズミカルに上下するのを見て、まったく素直じゃないんだから、とつぶやいてこみ上げる笑いに身を任せた。
ワンダーランドのゲートをくぐると、円形の芝生が広がっていた。
緑まぶしく、広々として、右半分の演習には青い花の花壇があしらわれ、左半分には黄色い花の花壇があしらわれていた。
その手入れの良さを明らかである。
マック警部は走りたくなったのか、うーっと小さく唸って仙田を見あげた。仙田は。ふふっと笑って「どうぞ」と手を振った。
ぅわん!
という歓喜の声とともに、マック警部は全力で走り出した。さすが、警察犬らしく機敏で大胆なその走りは、躍動感にあふれ、ひたすらに美しかった。
仙田は広場のベンチに腰掛けてその美しい姿を堪能した。
思う存分走り回ったマック警部は戻ってくると、今度は広場の右側にあしらわれた青い花の花壇のほうへ、仙田をいざなった。
花壇は二重になっていて、花壇と花壇の間は遊歩道になっていた。
両側にほのかに香る花は、りんどう、ききょう、までは知った花だが、見たことのない花も多かった。
仙田はふと高校の卒業式を思い出した。
校庭に並んだ下級生が持つ花道の真ん中を歩いたっけ。
まだ、警官になると決めていないころ。
そんな風に過去をゆっくり振り返るのは、久しぶりだった。
とんでもなく、いい気分だ。
ゆっくり時間をかけて花道を堪能した二人が、次に向かったのは、ジェットコースターと思われるアトラクション。
普通のジェットコースターと違うところは、レールの横に細い通路があり、様々な高さに設定された柵が設置されている。
一体、どういうことだろう。
入り口には順番待ちの3組ほど並んでる、仙田はマック警部と並んでみることにした。
ほどなく、順番がやってきて、競馬場にあるようなスタートゲートに案内された。
仙田は、その夜鬼ある一人の利用のジェットコースターの座席に座った。
ジェットコースター自体が久しぶりでこんなものだったかと首をかしげる仙田であるが、実際通常のジェットコースターより座面が低く、体育すわりをするような設計になっている。
流ちょうな英語のアナウンスで、レディーゴーの号令と共にマック警部の前にあるゲートが開く。同時にスタートするマック警部と仙田のコースター。
コースターはマック警部に並走する。
マック警部が障害を飛び越えるとコースターも同時に跳躍する。
仙田は、マック警部のスピードと跳躍を体感できるようになっているのだ。
思った以上に速いスピード、思った以上に高い跳躍、仙田は完全に脱帽した。




