23 ネズミのショーを見に行こうよ
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「モリスー、ネズミのショーを見に行こうよ。」
ここまで、ネズミに詳しくなって、根角のネズミショウを見ないわけにはいかない。
モリスはいつだって、新しいことが大好きだから、誘われて断ったことなんて、ほぼない。
僕とモリスは、時間になるのを待って、早速ホールへ行った。
子供たちには悪いけど、一番前に座らせてもらった。
一旦、暗くなって、幕にスポットライトがあたる。
タタンタタン・・・。軽やかなリズムで音楽が流れ始めると全身黒のマジシャン用の衣装に着替えた根角とおそろいぃの赤いチョッキに身を包んだマウスたちが現れた。
根角は、両手を広げると、一メートルほど高くなったネズミ専用のステージへとマウスを誘導させ始めた。
マウスたちは、流れている音楽のリズムに合わせて、まるでアイドルかのように、軽やかにステージへと上がっていく。
僕もモリスもその様子にくぎ付けになった。五匹全員がステージに上がると、根角はステージの後ろの小さなスポットライトセットの後ろに立った。
いったん、照明が暗くなったかと思うと、音楽が変わった。
何とヒップホップではないか!
かわいい!
僕は、小動物が特別好きなわけじゃないけど、この小さい白いのが、チャカチャカ踊るヒップホップは可愛すぎる。しばらくすると、また、照明が落ちた。次に明るくなると、そこは舞踏会会場になっていた。
二匹ずつペアになって、ワルツを踊っている。そう、一匹余ってしまう。
そのネズミがまた、いい。
しょんぼりと、二組のペアを上目使いで見ている。
くぁいいぃ~。
なんて顔をするんだ。
モリスに演技指導してほしいほどだ。
子供たちに、この良さが分かるのだろうか、僕はふと気になって後ろを振り返った。
やっぱり、一部の動物好きらしき子供たちを除くと、DS画面にくぎ付けで舞台など、見ちゃいない。
もったいない、
もったいない。
でも、確かに小さすぎるな…、
前から4列目以降は、何が起こっているかわからないかもしれない。
ああ、場面が変わる。
今度はそう、お決まりのラインダンスだ。
一糸乱れぬこの動き、やっぱりかわいい。
ネズミたちは、踊りながら根角の腕に上ると、根角は腕を高くあげ、自分の頭を下げ、深々とお辞儀をした。
僕は手が痛くなるほど、拍手した。一部の動物好きの子どもたちも、キャーキャー騒いで手を振った。
そして、ゆっくり、根角はステージを後にしたのだった。
久しぶりに面白いものを見た気がした。
しかし、同時にあのレベルで、この反応、子供相手のショウの難しさを実感した。
モリスにできるのだろうか。僕は、ダンス教室のプログラム案を練り直さなければと思った、そして、モリスを振り返ると、なんと寝ていた




