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モリスが地球を踊るとき  作者: morriss090
22/36

21 すいませーん、隣に入りましたー

「すいませーん、隣に入りましたー。」


僕は、先ほどのネズミが入っていった隣の部屋のドアの前にいって、大きな声で言ってみた。


「今、お忙しいですか?」


最後のかにかぶせがちに、大丈夫でーす、と声が聞こえてきた。

ちょっと低めの声。


そーっと、ドアを開けると、黒い燕尾服を着た、大きな黒淵メガネの小柄なおじさんがいた。

キラキラしたステッキをくるりと回して、


根角ネスミです。よろしく。」


と言った。

低いけど、遠くまでよく通るショーをやってる人の声だと思った。


「安川です。隣の楽屋に入りました。相棒とダンスの方を担当します。

えーっと、根角さんは?」


「あ、私は、ネズミのショーを担当しています。ちょうど、ショーが終わったところなので、こんな格好で…」


と、少し照れ臭そうに笑った。背は僕より10センチくらい低いかもしれない、チャーリーチャップリンみたいな雰囲気を醸し出している。


僕は合点がいった。さっきモリスが話していたのは、ショーに出ていたネズミに違いない。

しかし、大きかったなあ。


根角さんは話をしてみると、物静かなおじさんで話しやすかった。

さっき、うちのダンサーがネズミと話しているのを見たと言ったら、

根角さんは、


「うーん誰かな、最後までかたずけてくれたのは、ラットーだったかもしれない。

ラットー、っちょっと来て。」


すると、さっきの大きなネズミが出てきた。今まで、どこに隠れていたのかな、間近で見ると20㎝くらいありそうな、大きなネズミ。


「この子でしたか?」

根角がニコニコしながら、尋ねる。


「あーはい、この人…あ、人じゃないですね…まちがえちゃった、ネズミですよね?

大きいと思ったけど。」


根角さんは、ちょっとびっくりした顔してから、破顔した。


「この子の対して、そんな…なんていうか嫌悪感をいだかない人って、あんまりいないんですよ。」


根角さんは嬉しそうに


「他の子も紹介させてください。」


というので、僕は気軽にいいですよと答えた。


「リットー、ルットー、レットー、ロットー。」


すると、先ほどの20㎝大のネズミがあと4匹現れた。

さすがに、ぎょっとしたけど、根角さんが気を悪くするといけないから、きわめて平然と、


「あ、たくさんいるんですね、さすがに、個体の識別はできないですね。彼らがショーを?」


と答えた僕は、僕をほめてあげたい。

でも、予想に反して根角さんは少ししょんぼりしてしまった。


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