【第二章】第十部分
ひと騒動が収束すると、休憩に入った。
エロザは玲駆の隣で、歌を口ずさんでいた。
「しょ、しょ、ショジョ寺、ショジョ寺ノ庭ハ、ツ、ツ、突キ夜で、ミンナ出シテ濃イ恋行為♪」
意味不明な歌を歌って、エロザは玲駆にチラリと視線を送ったが、玲駆は何の反応も示さなかった。
一方、智流美はエロザから5メートルの地点で、ひとりキャンプを張っていた。
「今度はエロザを玲駆から引き離すからね。アタシの噴火魔法で、エロザを燃やし尽くしてやるわ。」
テロリストと化した智流美は怪気炎をあげていた。そのバーチャル炎に反応したのか、地震のような揺れが発生した。
「おっ、いい具合に噴火してきたようね。アタシが魔力を地球に贈呈した結果ね。」
よい子は、ゼッタイに、そんなものを地球に贈ってはいけない。
中日山は、以前は『中火山』と呼ばれていて、もともとは活火山であったが、活動が休止していたので、中休みという意味を込めて、中日山と呼ばれていた。
山では化け物が唸るような音が聞こえて、岩が転がってきた。さらに山頂から噴煙に混じって赤い光が見えた。
「この山、煙が出てるんじゃない?それどころか噴火してるわよ!」
生徒たちは大パニックになり、次々と遠足から離脱した。山に残ったのは、終始冷静な玲駆と、噴火魔法の原因らしき智流美と、玲駆をぴったりマークしているエロザの三人だけとなった。
「このままじゃ危ないぞ!火山岩も飛んできているし。」
玲駆はここに来て大きな声を出している。
溶岩こそ流れ出てはいないが、『ドスン、ドスン』という岩の落ちる音が恐怖心を煽っていく。
「キャー、怖イデス。デスニ、ナリソウデス。抱キッ。」
エロザは恐怖心をナノレベルも感じさせない表情で、玲駆の腕にしがみついた。そして智流美には厳しい眼力を送った。
「ムムム。なんてムカつく女なの!あんな風にやるのはアタシの専売特許なんだから。特許侵害で訴えてやるわ!」
智流美は怒りに震えていたが、噴火による地面の揺れの方が大きかった。
「こっちだ。洞穴があるぞ。ふたりとも避難するんだ。」
「ワカリマシタ。ヒニンスルンデスネ。」
「アタシもそうするわ!」
智流美はエロザに同調したが、玲駆の言葉の意味は理解している模様であった?
洞窟入口には、不測事態時のシェルターなのか、名称などを示す大きめの金属プレートが貼ってあった。
『ここは男女組限定ケーブ。深い男女関係的カップルにならないと出られません。』と書いてある。




